【2013年12月】のアーカイブ

 今年はカレンダーの曜日の並びが良くて年末年始9連休の企業が多いようですが、パレスサイドビルは12月31日(火)~1月3日(金)・5日(日)は休館とさせていただき、通常の休日と同様に、東西の玄関、地下鉄改札口からのエスカレーターの入り口は閉鎖させていただきます。

12月30日(月)、1月4日(土)の店舗の個別の営業は、それぞれご確認ください。

 本日27日(金)を当ブログの仕事納めとさせていただき、新年は6日からの更新にいたします。

                  ※

ゴジラポスター.jpg

 さて、2014年の干支は「甲午(きのえうま)」。この甲午の年はご存知のとおり60年に1回まわってきますが、2014年の60年前は1954年になります。甲午生まれで一番有名なのは、あの1954年生まれの「ゴジラ」だと勝手に思っているのですが、どうでしょう。「ゴジラ」生誕60周年の年です。

 「ゴジラ」の生まれ年って何? と言われる向きもあろうかと思いますが、初公開が1954年11月3日、東宝製作のこの映画は空前の大ヒットとなりました。1番館での封切り動員だけで観客動員数は961万人に上り、国民のほぼ10人に1人はこの映画を見たことになります。身長は最初50㍍、のちには100㍍に変わったというゴジラは甲年生まれの超大物です。着ぐるみ特撮の元祖でもあります。

 「ゴジラ」生誕60周年を記念して東宝のプロモーション用サイト(http://godzilla.jp/)がオープンしています=写真㊦。サイトでは進行方向のキーを押すと歩き出し、街を破壊する仕掛けのほかに、「G」を押せばゴジラの放射熱線攻撃が、「M」を押せばモスラが、「K」を押せばキングギドラが登場します。赤と黒でスタイリッシュなゴジラのサイトです。1月27日には関係者によるスペシャルインタビューやBlu-ray&DVDなどの情報を発信。シリーズ全28作品を紹介するコーナーも掲載される予定です。

 2014年7月25日にはハリウッドにより10年ぶりに蘇る「GODZILLA」が公開されるほか、6月にはデジタルリマスター版の「ゴジラ(1954)」が、約80の映画館でリバイバル上映されることにもなっています。また、3月から東京・神保町シアターでは「ゴジラ」シリーゴジラサイト.jpgズ30作を上映することも決定しているそうです。こちらは「ゴジラ」全28作品に加え、「ゴジラ(1954)」の海外公開版となる「怪獣王ゴジラ」と「GODZILLA(1998)」を加えたものを毎月"5"が付く日に年代順に放映していくという企画です。神保町シアターは、都営新宿線・都営三田線・東京メトロ半蔵門線の地下鉄神保町駅から3分、JR お茶の水駅8分、パレスサイドビル・東京メトロ東西線竹橋駅からも10分以内です。

 1954年に放映されてから60年を経てもなお「ゴジラ」の魅力は衰えることはありません。2014年、何かが大暴れしそうな年ですが、最大の難敵は『消費税』でしょうかねぇ。

 ともあれ、どうぞお健やかな年末年始をお過ごしください。

 先日、岩波書店が創業100年を迎えたことを書きましたが、「△※▼ウン周年」というのは今年もいろいろありました。年末駆け込みで恐縮ですが、「学徒出陣70年」について書きます。

 東條英樹内閣は1943年10月、大学生らの徴兵猶予の停止を公布しました。主に文科系の学生対象で、10月21日に東京・明治神宮外苑競技場で文部省主催の大規模な出陣学徒壮行会が開かれました=写真㊤は慶応生の隊列。学徒兵の総数は10万人以上と言われるものの、正確な数は分かっていないし、戦死者数も不明。さらに、これより前、卒業を繰り上げられて徴兵され、戦地に赴いた人もいたといい、こうした広義の学徒出陣も含めると、実態は不明なのだそうです。

 節目の年ということで、マスコミも特集記事を多く報じました。その一つ、毎日新聞は「現代史探検」と●還らざる学友の碑.jpgいうシリーズの第8回(11月12日朝刊)で書いています。記事によると、全国の大学で、祈念碑・像や記名碑を建てているのは小樽商科大、福島大、一橋大、早稲田大、東洋大など約20校にすぎず、1998年にOBの元学徒兵らの要請に応じ三田キャンパス(東京都港区)に「還らざる学友の碑」=写真㊨=を建立した慶応大の例を紹介。当時の鳥居泰彦塾長は、学内には建立に慎重な声が根強くあったとして、「いろんな大学が、碑を造るのに苦労しています。あの戦争に、どんな形にせよ参加した人は悪い人だという考えが残っていた。日本人は戦争の仕方がヘタで、後始末もヘタなんです」と語っています。

 遅れていた検証作業は今もいろいろな人が努力していますが、この記事でも、1990年代に複数の大学や研究者が動き出し、東京大学史史料室は1993年から2年半調査し、1997年に「東京大学の学徒動員・学徒出陣」を刊行したこと、白井厚・慶応大名誉教授(83)が教授時代、学生とともに戦争を体験したimg199.jpgOBへのアンケートを実施(1700人が回答)、遺族の聞き取りや文献調査なども進めて1999年に2165人の戦没者名簿、2005年には2224人の名簿を発表したことなどを紹介しています。

 白井ゼミは、このアンケートをもとに、『太平洋戦争と慶応義塾』(白井さ ん監修、慶応義塾大学出版会、1999年)=写真㊧=を出しています。

 この本の中に、一昨日(24日)当ブログで書いた「岩波書店100年」と関連する話を見つけました。慶応義塾の創始者・福沢諭吉の『文明論之概略』岩波文庫版から、1936(昭和11)年に一部の記述が削除された検閲のことを紹介しましたが、その翌年の1937年に発行された陸軍士官学校の歴史教科書『本邦史教程』で、福沢の『学問のすゝめ』が厳しく批判されたという話についてです。福沢がたたかれた理由は岩波の場合と同じく楠正成への評価(24日に紹介した楠公権助論)などです。『本邦史教程』次のように書かれています。

 「是れ即ち自由平等の説にして、之を徹底せしむる時は、君臣の関係は畢竟(ひっきょう)便宜的にして、功利に基くとなす説といふべきなり。・・・而(しこう)して斯(か)かる実用功利の上から見れば、楠正成の誠忠、赤穂浪士の義挙は、 茲(ここ)に根本の価値を顛倒(てんとう)し来るは当然なり」

 この記述について、『太平洋戦争と慶応義塾』22、23ページ「兵役の種類と階級」の項のコラムで、●太平洋戦争と慶応義塾2.jpg「・・・特に陸軍には福沢を国賊呼ばわりする皇国主義者が多かった。そこで慶応卒業者というだけで痛めつけられた者もいる。海軍でも『福沢諭吉の弊害について』という精神訓話が行われ、そのあと慶応出身者は揃って殴られた例もあった」と解説しています=写真㊧。今となってみれば、軍隊で批判されたことは"名誉"なことですが、当時、理不尽なリンチに痛めつけられた人たちのことを思うと、胸が痛み、怒りがこみ上げてきます。

 今年は平和について、いろいろ考えさせられた1年でした。今ある平和のありがたさと、これを守る大切さを、改めて感じる年末です。

 2014年に予定されていることは多々ありますが、当ビルに入られているテナントさんらに関心が高いことの一つはWindows XPのサポート終了でしょうか。実際のところ、既にパソコンとしてはWindows XPはずいぶんと非力ですが、まだ使っている方も少なくはないでしょう。

 日本マイクロソフトはこのほど、サポート図.jpgWindows XPおよびMicrosoft Office 2003について、「2013年12月30日から100日でサポート終了を迎える」と、公式ブログで注意喚起しました=図表。XPやOffice 2003のサポート終了は、日本時間2014年4月9日というわけです。

 公式ブログ「The Official Microsoft Japan Blog」の該当記事では、「サポート終了後はWindows XP搭載パソコンは使えないという事でしょうか」「インターネットに接続しなければ安全ですよね?」など、XPのサポート終了の意味や理由、使い続ける危険性に関する情報が、12個のFAQで紹介されているそうです。マイクロソフトはサポート終了の理由として主にセキュリティ上の問題を挙げているそうですが、たしかに、Windows XPはユーザーも多く、長い期間にわたって使われましたから、一方で脆弱性が問題でした。

 ちなみに、マイクロソフトがMS-BASIC言語を開発したのが1975年。1978年に東芝が初の日本語ワープロ東芝JW-10を発表しましたが、まだ8インチフロッピーディスクの時代で、価格はなんと630万円。以下、少し年表をたどると、

1979年 NECがPC-8001を発売。日本で初めてパーソナルコンピュータという名称

1980年 富士通OASYS100発売(24ドットプリンタ、 14"CRT, 8"FDD 、 3,200,000円)

1981年 アメリカでIBM PC発売(OSはビル・ゲイツから買い取ったMS-DOS1.0)

1982年 NEC PC-9801発売(PC本体298,000円)

1983年 任天堂ファミリーコンピュータ発売(14,800円)

1984年 MS-DOS3.0発表

1985年 一太郎 for PC-9801(JustSysem、 58,000円)発売

1985年 MS-DOS3.2発表

1989年 東芝初代Dynabook発売(国内初のPC/AT互換ノートパソコン、198,000円)

1990年 IBM PC-DOS4.0/V(DOS/V)を発表

1991年 Microsoft Windows 3.0

1993年 Microsoft Windows 3.1

1994年 Mosaic開発メンバーによりNetscape開発(インターネット閲覧ソフト)

1995年 Windows 95

1998年 Windows 98

2000年 Windows 2000

2000年 Windows Me

2001年 Windows XP

2004年 IBMがパソコン事業から撤退

2009年 Windows 7

2012年 Windows 8

 こうやって年表を抜き書きすると、パソコンの進化とそのOSの進み具合は驚くべきものがあります。私は1989年の初代Dynabookからパソコンを使い始めましたから、もうすぐ4半世紀。もちろんこの以前1977年にはジョブズ率いるアップル社がアップルⅡを発売して、青い巨人 (Big Blue)と呼ばれたIBMに先駆けたことも有名ですよね。Windowsをめぐってはマイクロソフトとアップル社の熾烈な法廷闘争も記憶に残ります。

 蛇足ですが、映画『2001年宇宙の旅』(1968年、アーサー・C・クラーク原作、スタンリー・キューブリック監督)に出てくる人工知能HALは、アルファベット3文字を1文字ずつずらすとIBMになります。

2013

24

12

岩波書店100年

 竹橋のパレスサイドビルから10分余りの神保町交差点近く、救世軍並びの集英社の裏。岩波書店本社のプレートには、お馴染み、ミレーの種まく人をモチーフにしたマークが見えます。

 その岩波が今年、創業100年を迎えました。ご近所のよしみで、当ブログで●文明論之概略.jpgも何か書こうと考えていて、戦前の検閲で古典的な著作の一部が削除された話を思い出しました。慶応義塾の創設者、福沢諭吉の『文明論之概略』です=写真㊨

 福沢は、鎌倉幕府(北条執権政治)を打倒した建武中興について、楠正成を忠臣、足利尊氏は後醍醐天皇から実権を奪ったとする水戸学に連なる勤王派の論を批判し、楠を、主人の金をなくしたため首をくくった下男(権助)の死と同等だと比喩的に論じた「楠公権助論」で有名ですが、丸山真男の「『文明論之概略』を読む㊥」(岩波新書)=写真㊦=によると、北条打倒における足利の貢献が抜群であり、また当時は勤王の気風が乏しかったなどとする記述に続き、その理由を述べた部分10行余りが、1936(昭和11)年以降の文庫版では、検閲により丸ごと削除されました。岩波の『五十年史』に「(文明論之概略の)次版改訂処分――皇室に関する記事による」と記されているそうです。

 削除されたのは次の文です。

●文明論之・・を読む.jpg 「独り後醍醐天皇の不明に由るに非ず。保元平治以来、歴代の天皇を見るに、その不明不徳は枚挙に遑(いとま)あらず。後世の史家、天諛(てんゆ)の筆を運(めぐ)らすも、尚よく其の罪を庇ふこと能(かな)わず。父子相戦ひ、兄弟相伐ち、其の武臣に依頼するものは、唯自家の骨肉を屠(ほう)らんがためのみ。北条の時代に至りては、陪臣を以て天子の廃立を司どるのみならず、王室の諸族、互ひに其の骨肉を陪臣に讒(ざん)して位を争ふに至れり。自家の相続を争ふに忙はしければ、又天下の事を顧るに遑あらず、之れを度外に置きしこと知る可し。天子は天下の事に関はる主人に非ずして、武家の威力に束 縛せらるゝ奴隷のみ。後醍醐天皇、明君に非ずと云ふも、前代の諸帝に比すれば、其の言行、頗(すこぶ)る見る可きものあり。何ぞ独り王室衰廃の罪を蒙(こうむ)るの理あらんや。政権の王室を去るは、他より之れを奪ふたるに非ず、積年の勢に由て、王室自から其の権柄を捨て、他をして之れを拾はしめたるなり。」

 当たり前のことを書いているだけに思えますが、いかがでしょう。丸山はこの検閲について、「天皇の徳・不徳を論ずること自体がタブーになった」と指摘しています。

 『文明論之概略』が世に出たのは1875(明治8)年。明治維新のころは、結構、言論が自由だったことに感心します。

 ゆるキャラブームを、トップランナーとしてけん引する熊本県の「営業部長」くまモンが昨19日午後1時ごろ、パレスサイドビルに出現しました。ファンらに囲まれながら5階の廊下を通りすぎた一瞬、なんとか1枚だけ撮影に成功しました。ご覧の通り、赤い帽子と衣装のX'masバージョンでした。赤いちゃんちゃんこ風がご愛きょうですが、2011年のX'masから着用する由緒正しいもの(?)のようです。

 パレスサイドビル来訪の目的は、ビル5階にある「まんたんweb」編集部で取材を受けるためとか。「まんたん」は毎日新聞が運営するアニメ・マンガ・ゲームの記事を専門に扱う情報サイト。くまモンがここを訪れるのは7月4日に続いて2回目のようで、「まんたん」編集部の人は「別に珍しいことじゃないですよ」なんて言ってました。7月の様子は「まんたん」で詳しく書かれています(http://mantan-web.jp/2013/07/07/20130706dog00m200044000c.html)。今回はどんな記事になるのかな。

 ま、それはいいとして、くまモンの今年の活躍はホント、すごかった。当ブログも何度か取り上げましたが、世の中でくまモンに関して一番面白かったニュースは、天皇皇后両陛下の熊本訪問の時のエピソードでしょう。

 時は10月28日、熊本県庁を訪れた両陛下は「くまモン展」を見学。くまモンはお二人の前でキレのいいダ●くまモン天皇.jpgンスを披露しました=写真㊨㊤(Youtubeか ら)。この時、皇后さまの胸にはくまモンのピンバッジが光っていたほど=写真㊨㊦(テレビ朝日ニュースから)なので、ファンなのかもしれません。ということで、和やかなムードの中、皇后さまが質問を発したのです。

 ネット上などの情報は微妙に違い、皇后さまはくまモンに直接「くまモンさんはお一人でなさっているの?」と声をかけたという説と、蒲島郁夫県知事の方●くまモンバッジ.pngを向かれ「くまモンさんはおひとりなの?」と質問したという説があるようです。ま、細かいことは別にして、全国あちこちに出没するくまモンの活躍をねぎらってのことだったのでしょう。

 周りの人は凍りついたでしょうね。「くまモンは口元を両手でパッと押さえ、大慌て。蒲島知事も『くまモンは、それはですね、子供の・・・子供の夢をあのー、奪ってはいけないので』と口ごもり、最終的には『くまモンはくまモンです』という結論に落ち着いた」とのこと(J-CASTニュース=http://www.j-cast.com/2013/10/29187588.html)。

 ●初音ミク.jpg両陛下はゆるキャラなどに関心をお持ちのようで、8月の園遊会に「初音ミク」が招待されたのも話題になりました=写真㊧

 なにはともあれ、売れっ子芸人並み人気のくまモンのこと皇后さまならずとも、体がいくつあっても足りない活躍(いくつもの体を使った活躍?)に、「ご苦労様」と言いたくなります。

 

 「個人認証の電子証明書」を更新するために、パレスサイドビルへの出社を遅刻して蒲田の大田区役所に寄ってきました。個人が利用する場合の電子証明書は正確には、「公的個人認証サービスによる電子証明書」といいます。電子証明書ですから、もちろん紙ではありません。どうやって発行してもらうかと言うと、「住民基本台帳カード」のICチップの中に格納されます。つまり電子証明書を発行・更新してもらうためには住民基本台帳カードが必要というわけです。

 「住民基本台帳カード」のICチップの中には氏名・住所などの情報が入っているのですが、なんともめんどうなことに「公的個人認証サービスによる電子証明書」は2階建て部分みたいなものなのに、家の中に階段がなく、別に手続きが必要なのです。しかも住民基本台帳カードは発行から10年有効なのに、2階部分の「公的個人認証サービスによる電子証明書」の有効期限は3年というチグハグさです。使用目的は確定申告のためのe-Tax(イータックス=国税電子申告・納税システム)用なのですが、e-Taxは便利でもそれに必要な「個人認証の電子証明書」はちょっとだけ不便です。

 

 そもそも住民基本台帳カードって持ってらっしゃいますか? というより、ご存知ですか? 2003年に発行開始されましたから、今年で10年。導入費用に400億円、総務省によると毎年の維持コストに130億円。なんとも大盤振る舞いのカードで、しかも全国の普及率は5%。かなりもったいないシステムですから、当然あの民主党政権時代の事業仕分けでも、「運営法人が官僚の天下り先になっている」、「運営コストが高すぎる」と批判の的になっていました。

 今年、「マイナンバー(共通番号制度)」法が可決され、今後の方針として2015年中に国民への番号割り当て、2016年1月には利用を開始する構えで、事前に各個人に通知はがきを出してICカード配布という段取りらしいので、住民基本台帳カードの方はゆっくりと消えていくのでしょう。今日の大田区役所の窓口の職員からも「3年後の次回には電子証明書も含めてマイナンバーカードで1本化されているはずです」と説明されました。

 

 かつて佐藤内閣の時に「国民総背番号制」導入がとん挫して、住基ネット(住民基本台帳ネットワークシステム)の10年間がまったく普及しないまま。新たなマイナンバーの導入には、初期費用だけで住基ネットの数倍となる約2700億円もの費用がかかると推定されています。運営費は年間200億~300億円と予測。これでは「IT業界を儲けさせるだけ」と言われても仕方のないところでしょう。「消えた厚生年金」の時に露わになった個人情報のズサン管理は役所の体質とも感じました。現在の住基ネット番号の管理は(少なくとも私のカードに関しては)間違いなくされているようでしたが、次のマイナンバーがマイゴナンバーにならないように、お願いします。

 先日、浅草での飲み会があって、竹橋から地下鉄をちょいと乗り継いで銀座線浅草駅を降り、時間があったので、浅草寺雷門の大提灯を見てきました。高さ3.9メートル、直径3.3メートル、重さ約700キロもあり、流石の迫力。外国人観光客も含め、夜でも賑わっていました。

 ご存知の方も多いでしょうが、10年ぶりに新調され、11月18日に奉納式典があったばかりです。雷門の改修工事に合わせて9月18日に取り外され、代わりに提灯のイラストが描かれたシートがかけられて●DSC_1278トリ.jpgいたので、「浅草の顔」が2カ月ぶりにピッカピカになりました。

 雷門は門に向かって、右側に風神、左側に雷神が配され、正式の名称は風雷神門(ふうらいじんもん)といいます。941年、安房国の太守であった平公雅が、武蔵国への配置転換を祈願し、願いが叶ったことから新天地での天下泰平と五穀豊穣を祈願し伽藍などの寄進を行ったと伝えられ、雷門に相当する最初の門は、その際に造られたとされます。江戸時代末期の1865(慶応元)年の大火で焼失したままでずーっときて、再建されたのは1960年と、ほんの半世紀前のこと。松下電器産業(現パナソニック)の創業者、故松下幸之助氏が寄進し、以後もほぼ10年おきに同社が奉納する形で新調されています。提灯下部の正面に●DSC_1276.jpg輝く「松下電器」の銘板 =写真㊧㊤=はずっと同じもの。今回は2008年に社名がパナソニックに変わってから初めて新調されたのですが、「創業者以来の縁に配慮して」そのまま使われているとのこと。ちなみに、提灯下部の裏側には「松下幸之助」の名も健在=写真㊨。病気になって浅草寺を参拝したら治ったので、そのお礼として贈ったといわれま すが、門にある看板=写真㊧=にも、パナソニックのホームページの関連記事(http://panasonic.co.jp/news/topics/2013/118594.html)にも、病気のことは書かれていないので、"神話DSC_1289.jpg"かもしれません。

 提灯は京都の老舗業者が制作しました。骨組みの丹波産の竹や、福井産コウゾを使った手漉(す)き和紙などの材料を厳選、文字に立体感をもたせるため職人が脚立に乗って薄墨でぼかしを入れるなど、こだわりの逸品ですね。約1年がかりの大仕事だったということです。

 先週末の毎日新聞朝刊に、文部科学省が公表した今年度の学校保健統計調査からの「高校生視力1.0未満65% 過去最悪、スマホ普及影響か」というニュースが載っていました。文科省がこの項目の集計を開始した1979年度以来、最も悪い数字になったようです。小学生と中学生も過去2番目に悪い記録で、特に高校生では最近3年間で10㌽も増えたということです。

 また、別の調査では20代~40代は視力0.4未満が5割以上にもなっています。私たちは本当に目を酷使する時代に生きているのですね。

 私も中学生のころ、授業中に黒板の字が読みにくくなったなと感じ始めて、席が一つずつ前の席のクラスメートと変わっていって、最後は一番前になるまでにそれほどの時間はかかりませんでした。次は当然、視力矯正、眼鏡をかけ始めてからン十年が経ちます。そのころは目が悪くなる最大の要因は「テレビ」でした。あと、なぜか「マンガ」も言われていました。マンガは読むことを制限されて、夜に布団の中で読んでいる、という分析だったのでしょう。今では「テレビ」で目が悪くなるという親も少なくなってきていますが、今年度の文科省の調査結果分析では「パソコンをはじめとするデジタル機器が普及し、特にスマートフォンや携帯型ゲーム機を、暗い部屋のふとんの中で眠る直前までいじるなど、目に負担をかける行為が生活習慣として広がっていることが要因の一つになっているとの指摘がある」とされていますから、まさに十年一日、繰り返しの分析です。

 ところで調査結果の続きとしては、裸眼視力1.0未満の割合は、高校生65%以外では、幼稚園24%▽小学生30%▽中学生52%でした。

 では、20歳代以上の大人たちはどうなのでしょう。「ソフトブレーン・フィールド」がクレディセゾンとの共同事業「レシートで貯める」のアンケートモニターで20代~70代の男女を対象に、今年の11月に調査2人に1人が視力0.4未満.gifした結果がウェブに見つかりました=グラフ㊤

 視力1.0以上は、「20代」24%、「30代」22%、「40代」24%、「50代」17%、「60代」17%、「70代以上」21%でした。文科省調査とは視力1.0以上か未満か、逆を聞いていますが、少なくとも大人たちの視力も低下していますが20代~40代は視力1.0未満77%前後、50~60代で視力1.0未満83%と、ここは加齢も加わった数字になっています。

 さらに困ったことに、こちらの調査では視力0.4未満は全体で50%でした。年代別で見ると、視力0.4未満だった割合は、「20代」は52%、「30代」は55%、「40代」は50%。パソコンやゲームなどに接してきた20~40代では、視力0.4未満が5割以上となっていました。「50代」は47%、「60代」は36%、「70代以上」は30%ですから、やはりパソコンやゲームの影響は否定しきれないのでしょうか。

 パソコン.gifライフスタイルについての調査=グラフ㊦=では、「パソコンを長時間使用する」割合は、最も低い「70代以上」でも66%でした。若年層だけではなく、70代以上の6割以上もパソコンを長時間使用していることが分かりました。一方、「テレビをよく見る」割合は、年代に関わらず6割程度。「ゲームをよくする」割合は、やはり「20代」が最も高くて24%でした。

2013

16

12

ゴルゴ13

 漫画家さいとう・たかをさんの代表作「ゴルゴ13」が1968年11月の連載開始から45周年を迎えたというニュースは、先月、多くのマスコミを賑わしました。

 ご存知、「ビッグコミック」(小学館)に連載され、単行本はリイド社から出されています。両出版社の主催で「45周年を祝う会」が11月開かれ、会場に漫画家63人が描いたゴルゴ13が展示され、話題になりました。秋本治さん、あだち充さん、浦沢直樹さん、西原理恵子さん、高橋留美子さん、ちばてつやさん、萩尾望都さん、藤子不二雄Aさんらがコメントを添えて描き、ずらりと会場に並んだほか、ゴルゴ13の等身大フィギュアなども展示され、とても盛況だったそうです(毎日新聞のニュースサイトも写真特集を掲載しています=http://mainichi.jp/graph/2013/11/13/20131113dyo00m200037000c/001.html)。

 ●ゴルゴ紙面121108②.jpgゴルゴ13は、巨額の報酬で狙撃を引き受けるスナイパーで、東西冷戦終結で"失業"もささやかれましたが、しっかり生き残り、いかなる困難な状況の下でも狙撃を成功させ続けています。

 ちょうど1年ほど前、毎日新聞との「コラボ」が話題になったのを思い出します。2012年11月8日の毎日新聞朝刊に、第527話「ペルシャ湾危機(クライシ ス)」のプロローグが4ページにわたって掲載され=写真㊧、これに続く本編が翌11月9日発売の「ビッグコミック」巻頭に掲載され、物語に毎日新聞の岸井成格主筆(当時、現在TBS「ニュース23」アンカー)が実名で登場したのです●ゴルゴ1.JPG一番㊤の写真と㊨(右の絵にはパレスサイドビルもしかと描かれています)

 「ペルシャ湾危機」は、毎日新聞のテヘラン特派員の(架空の人物)がイランで デューク東郷を見かけるところからスタート。本編は兵藤が岸井主筆に電話するシーンに始まり、デューク東郷のイランでの行動が米大統領選やイラン核問題と関連していることが明らかになっていく・・・というストーリー展開でした。

 さらに、11月7日の毎日新聞夕刊1面の「毎日新聞」の題字下に、デューク東郷への仕事依頼の広告、8日朝刊の同じ場所にデューク東郷からの応諾の広告を載せるという、お堅い新聞としてはかなり砕けた企画も実行されました。「ゴルゴ13」では、主人公に依頼をする場合、新聞の広告が使われていることから立案されたもので、7日夕刊=写真㊧の㊧=は「13年式Gトラクター買いたし」「至急の商談求む。但し中東への輸出仕様。委細は面談の上にて。連絡乞う」。8日朝刊の返答=写真㊧の㊨=は「商談に応ず」「スイス銀●ゴルゴ紙面121107夕.jpg行の弊社口座へ代金が振り込まれ次第、通関手続きに着手す。 東郷公爵商●ゴルゴ紙面121108一面広告.png事」とありました。

 "お遊び"と言ってしまえば、それまでのこと。でも、想像するに、これだけの企てを成すにあたっては、毎日新聞社や小学館の社内で、どれだけの企画書や稟議書、決裁書が作成され、沢山のハンコが捺(つ)かれたことか・・・な~んて考えると、サラリーマンとしては妙に感心してしまうのでした。

 でも、かかわった人たちは、それなりに楽しんだのではないでしょうか。

本埜①後.JPG本埜②.JPG本埜⑥.JPG

 パレスサイドビル前の皇居のお濠には、いつも悠然と泳いでいるコブハクチョウの姿がみられます。皇居を訪れる方にはおなじみの光景です。

 ところで関東でも有数の、時として1000羽が遊ぶハクチョウの飛来地が、千葉県印西市(旧本埜村)にあります。平成4年、6羽のコハクチョウが降り立ったのが旧本埜村にハクチョウが生息するようになった始まりだといわれています。近年では様々なメディアに取り上げられるようになり、年間5万人もの観光客が訪れるほどの名所となっています。

 毎年10月~3月までが飛来のシーズンですが、愛好家の同僚が訊ねた11月最後の土曜日にはまだ100羽ほどでしたが、これからも増えていくでしょう。

 平成4年11月、当時千葉県鳥獣保護委員をしていた出山光男さんが、家の前の農業水路工事のための田んぼの溜め水に6羽のハクチョウが舞い降りたのを見つけ、誰もが無理と思った餌付けを1人で始めました。毎日同じ服装で、同じ時間の朝、昼、夕と3回にわけ、120日間にわたって続けた結果、3年かけて餌付けに成功しました。年々数も増え、平成10年には125羽飛来にまでなっています。と同時に「本埜村白鳥を守る会」も出来て村全体でハクチョウを迎え入れる態勢も整い、本埜村唯一の名物として愛され親しまれるようになったようです。平成15年には500羽、16年には800羽、そして今では1000羽の白鳥が飛来しています。本埜⑦.JPG

本埜⑧.JPG

何より地元の人みんなの温かさがハクチョウにも伝わっているのでしょう。

 たくさんのハクチョウに会えるスポットは、本埜第二小学校から約1㎞東南東の田んぼの中です。最寄り駅のJR成田線小林駅から東南東へ約2.5㎞。特に目印はありませんが、近くへ行けば看板が立っていますし、近所の人も教えてくれます。

 赤穂四十七士が主君の敵として吉良上野介を討った忠臣蔵。14日の討ち入りの日には浪士が眠る品川・泉岳寺などで様々な行事があります。宮内庁が、この時期に合わせ、赤穂浪士関連の図面など6点をホームページで初めて公開しています(http://toshoryo.kunaicho.go.jp/=写真㊤

 6点は主に討ち入りに関係するもの。一番目を引くのは「吉良上野介屋敷図」。討ち入り当日に吉良邸●吉良邸.jpg(現在の墨田区両国付近)を取り囲んだ際の具体的な配置が記され、東の表門に大石内蔵助の名=写真㊨。西の裏門には堀部安兵衛や内蔵助の長男主税らの文字が見えます。四十七士のうち名前が確認できるのは42人。残る5人は配置場所が不明だったのか、はたまた書き写す際に漏れたのか・・・なんてことを考えながら見るのも楽しいですね。

 このほか、浅野内匠頭による江戸城松の廊下での刃傷事件から討ち入りまでの経緯を、討ち入り後に内蔵助らが語った「浅野内匠頭家来口上書等」がありますが、要は供述調書でしょうか。内蔵助が赤穂に構えた「大石内蔵之助屋敷図」は、流石に1500石、浅野家筆頭家老の家格がうかがわれる立派な造りとのこと。討入り後の浪士10人を預かった毛利家の記録「赤穂浪人御預之記」には切腹場の敷設図などもみえます。

 いずれも江戸後期以降に書き写された写本ということで、幕末の国学者らによって収集され、明治以降に皇室に献上されたとのことです。

 これらの資料を管理するのは、皇室に代々伝わる古文書や絵巻物などを収蔵する宮内庁書陵部図書課の図書寮文庫。どこにあるのかと思ったら、すぐ近く。竹橋から首都高代官町入り口へ坂を登って行く途中、道からは平川濠を挟んで向かいの位置に書陵部庁舎があります。同文庫は所蔵する資料の画像1万点、目録31万点を11月からネットで公開し始め、「ギャラリー」ページに月替わりで何点かを特集して掲載しているようで、12月2日から今回の忠臣蔵関連がアップされたました(期間は1カ月程度とのこと)。今後、どんな画像が公開されるか、楽しみです。

 パレスサイドビルの高さ6.2㍍の大型クリスマスツリーや趣向を凝らしたデコレーションはテナントの皆さんや来館される方に好評をいただいていますが、クリスマス・イブまでの秒読み、カウントダウンが世界中で始まりました。世界中というのはちょっとオーバーですが、あのマイクロソフトやグーグルが「サンタクロース追跡サイト」を今年もオープンさせました。

 マイクロソフトとグーグルといえば宿命のライバル。サンタ追跡サイトの本家争いは置いておいて、クリスマスまでのカウントダウンのほかに、様々なコンテンツを用意して競い合っています。マイクロソフトは、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)と提携して「NORAD Tracks Santa」というサイトに、世界中を飛び回るサンタの動画や毎日登場するミニゲーム、クリスマスソング、クリスマスの伝統について学べるコンテンツが揃っています。もちろん8カ国語で日本語サイトもあります。

 北米航空宇宙防衛司令部とはまた、ものものしい組織名ですが、それもそのはずで、アメリカ合衆国とカナダが共同で運営する統合防衛組織で、北アメリカ(アメリカ合衆国とカナダ)の航空や宇宙に関して観測または危険の早期発見を目的として設置された組織です。通称ノーラッド(NORAD)。24時間体制で人工衛星の状況や地球上の核ミサイルや戦略爆撃機などの動向を監視しています=メーン写真

 ノーラッドは「ノーラッド・トラックス・サンタ」(NORAD Tracks Santa)として、毎年サンタクロースを追跡しているのです。1955年に前身のコーナッド(CONAD、中央防衛航空軍基地)が始めたものを受け継ぎ、既に半世紀以上になります。

 Microsoft_131205171400.jpgきっかけは、コロラドにある大手スーパーが子ども向けサンタ・ホットライン開設広告に、間違えた電話番号を掲載してしまったことが発端です。その番号は偶然にも当時のコーナッドの司令長官への直通電話でした。子どもからの電話に、ハリー・シャウプ大佐(1917年9月29日 - 2009年3月14日)が「レーダーで調べた結果、サンタが北極から南に向かった形跡がある」と回答して以来の恒例行事になったと言われています。

 大規模になった1998年から毎年クリスマス・イブになると、サンタクロースの出発を「レーダーで確認」、その飛行を「偵察衛星とサンタカメラネットワークで追跡」し、その情報を提供するために1250人の軍事スタッフ・職員、その家族らがボランティアとして、メールや電話の応対に務めているそうです。2006年の日本地域の中継では、新幹線や富士山と比較して速度検証した結果、サンタクロースのトナカイの速度は新幹線の100倍と言及しました。インターネットが普及して以降は「NORAD Tracks Santa」にて、クリスマス・イブの夜から行なっている追跡の模様を、動画を用いて中継しています。2007年から2011年にかけてはグーグルがノーラッドの公式パートナーでしたが、2012年からはマイクロソフトが公式パートナーになりました。

 イメージアニメでは、サンタが乗るトナカイを戦闘機がエスコートするとかで、ちょっとどうなの? という声があがっているとかいないとか書かれているブログも。中国や韓国の防空識別圏がどうなっているのかはわからないが、とりあえずサンタクロースは米国が護衛してくれるようです。

 片や、グーグルの追跡サイトは「Santa Tracker」(サンタ追跡)。サイトでは毎日新しいゲームやシーンが登場し、クリスマスまでのカウントダウンを楽しめます。クリスマス・イブには、世界のどこにサンタがいるかをGoogleマップで表示するといことです。まず今夜にでもお子様とちょっとサイトを覗いてみたらどうでしょう。URLを下に書いておきますね、

≪サイトイメージ㊤≫ マイクロソフトとノーラッドの「NORAD TRACKS SANTA」はhttp://www.noradsanta.org/

≪サイトイメージ㊦≫ グーグルの「Santa Tracker」はhttp://www.google.co.jp/santatracker/#/village2013/12/05

Google_131205171424.jpg

 「杵屋麦丸 竹橋パレスサイドビル店」が、いよいよ1211日オープンします。9月までマクドナルドがあった1階南側です。

 経営するのは株式会社グルメ杵屋さん。実演手打うどん「杵屋」でスタートし、讃岐うどん、信州そば、天ぷら、天丼、さらに洋食、タイ料理の店にまでジャンルを広げていて、杵屋麦丸は自家製麺を使用したセルフうどん店というコンセプト。茹でたてのうどん、揚げたての天ぷらが看板メニューです。カウンターに沿って進み、うどんのほか、トッピングの各種天ぷら、お稲荷さん、おにぎりなどを自分●ぶっかけ温玉うどん.JPGで皿にとり、最後に会計というカフェテリア方式になっています=写真㊨㊦

 明日の開店を前に、10日は関係者を集めたプレオープンということで、試食させていただきました。私はぶっかけ温玉うどん=写真㊧=、ちくわ天+鮭おむすびをドッピングしていただきました(食べ過ぎ・・)。コシのあるうどん、パリっと揚がった天ぷら、サイコーでした。

 お店の人が言っていましたが、店舗前に3000枚置●セルフ.jpgいたオープンをお知らせするチラシ(サービス券付き)が僅か2日で無くなり、急遽増刷したとのこと。これまでの新規オープンでは1000枚もはけなかったそうで、このような経験は 初めてとか。パレスサイドビル飲食店を利用される方々の期待の大きさがうかがえます。

 営業時間は平日11時~22時、土曜11時~21時(日曜祝日は休み)。

 話題の映画「ハンナ・アーレント」を見てきました。平日の終業後、パレスサイドビルから歩いて15分の神保町「岩波ホール」へ。19時からの最終回でしたが、事前の混雑予想を聞いて、早めにチケット(写真㊦)を購入、18時半の開場5分前にエレベーターで10階に行くと、すでにかなりの行列。最後尾を探して階段を降りていくと、7階まで、人数にしたら100人近く並んでいたでしょうか。噂通りの盛況です。上映開始時は8~9割方、席が埋まっていた印象です(ここの上映は12月13日まで)。

 新聞の映画欄などの解説にある通り、ドイツに●DSC_1284.jpg生まれ、ナチス政権による迫害を逃れて米国に亡命したユダヤ人女性哲学者ハンナ・アーレントを描いた歴史ドラマ。何百万人ものユダヤ人を収容所へ送った元ナチス高官アイヒマンが1960年代初頭、逃亡先の南米で捕まり、その戦犯裁判でハンナの筆になる傍聴記が大論争を巻き起こした史実を描きます。ハンナは、「合法的な命令に従っただけ」と主張するアイヒマンの無思考性を指摘し、そうした「悪の凡庸さ」を指弾しました。極悪非道な殺人鬼を裁くという裁判の"コンセプト"を否定したわけで、激しいバッシングを受けました。そんなハンナの苦悩と信念への揺るぎない確信を通し、「絶対悪」とは何か、人間にとって「考える」とはどういうことか、哲学的に問う超硬派な作品です。シオニズム運動の指導者クルトなど彼女と絶縁していく長年の友人らもいますが、それでも信じることを譲らないハンナの強さに感銘するとともに、真実に忠実であることの厳しさを教えられます。

 哲学を真面目に学んだことのない身には難しかったの一言。彼女の師であるハイデッガーは、20世紀の最も重要な哲学者の一人とされますが、ナチスに入党し、礼賛した経歴もあります。若いころ、ハイデッガーと愛人関係にもあったハンナが、ハイデッガーの思想をどう"消化"したかなど基礎知識がないと、この映画はなかなかこなせません。"負け惜しみ"を言えば、世の中に難しいものがあることを思い出させてくれたという意味で、たまにはこんな難解な映画もありかと思います。

 読んでいませんが、ハンナに「人間の条件」という哲学の著作があります。映画を見ていて、同じ題名(正確には「人間の條件」)の五味川純平の小説のあるシーンを思い出しました。中国で現地の人を過酷に働かせている鉱山だったと思いますが、中国人が抗議行動に出て、日本の憲兵隊長が見せしめのため7人を処刑する中、中国人に同情的だった日本人監督係の主人公が「やめてくれ」を叫び、処刑が何人目かで中止になるといった話でした(細かいところで記憶違いがあったらお許しを)。主人公は憲兵にリンチされ、招集免除を取り消されて軍隊に放り込まれます。主人公の葛藤に、読んでいて胸を締め付けられた記憶があります。

 ハンナの映画の重要なポイントに、戦前、ユダヤ人が収容所に送られるにあたって、ユダヤ人の指導者が、渋々であれ「協力」したということがあります。ハンナがアイヒマン裁判で出てきたその話を傍聴記に書いたことが、批判された大きな要因でした。五味川が描いた主人公とユダヤ人指導者は、いずれも極限状態のなかで厳しい"選択"を迫られたという意味で、いろいろ考えさせられました。

 今朝、650分に家を出ると空に鮮やかな飛行機雲。日の出から15分ほど、朝陽の赤みがかった色を吸い込んだ雲たちの間の白い筋がひときわ浮き上がって見えました。

 ♪空に憧れて 空をかけてゆく あの子の命はひこうき雲~♪

 今年、宮崎駿監督の「風立ちぬ」主題歌にも使われたユーミンの「ひこうき雲」を心の中で口ずさみながら、駅に急ぎました。

 パレスサイドビルに出社して空を見上げると、雲はなく、今日もよく晴れたまぶしい青空。暖かい1日です。

 飛行機雲ができるメカニズムは大きく分けて2種類あります。1つは、エンジンから出る排気ガスが作り出す雲。飛行機が行く高度1万メートルの気温は地上より約60度も低いマイナス40度以下の世界で、飛行機のエンジンが周囲の空気を吸い込んで圧縮・燃焼させ、300~600度の排気ガスを出すと、その中の水分が急に冷やされて凍り、雲となって白く見えるのです。
 2つ目は、飛行機の主翼などの後ろに空気の渦ができて、部分的に気圧と気温が下がり、水分が冷やされるためにできる飛行機雲です。

 気象情報提供会社「いであ」のウェブサイト「バイオウェザーサービス」によると、飛行機雲は気圧・気温・湿度・風速など大気の状態が条件に合う必要があり、湿度が飽和か過飽和になっているところを飛行すると発生します。いったん発生すると、すぐに消えないことも多く、場合によっては数時間も残ることもあるとのこと。日本の上空がこの条件になるのは、秋から初冬にかけてが多いそうです。

 同サイトは、日本人が飛行機雲をよくみるようになったのは、「第二次大戦末期の昭和19年 (1944年)の秋、アメリカ軍のB-29による日本本土爆撃が激しくなったころからと思う」と書いています。B-29による初の本土空襲は、1944年6月、中国の成都から北九州を目標に飛来したものですが、本格的には米軍がマリアナ諸島を攻略して大規模な航空基地を建設して以降のことで、マリアナからの初空襲が同年11月24日。この後終戦まで続くわけですが、B-29の飛行高度、飛行速度、エンジンの構造など、この時代のこの季節、飛行機雲発生の必要条件に合致したということでしょう。ちなみに、日本軍の記録にも「B-29の高高度来襲の時はかならず航跡雲が発生する」と書いたものがあるそうです。

 ひょっとして冬の季語かも、って思いましたが、夏は入道雲、積乱雲、秋はいわし雲、うろこ雲、ひつじ雲が、冬では冬雲、寒雲(かんうん)、凍組(いてぐも)、富士の笠雲などがありますが、飛行機雲を使った句は「無季」、つまり季語ではないということです。

 パレスサイドビルに本社を置く株式会社マイナビの「マイナビニュース」が、今月初めに「2013年生まれの赤ちゃんの名前 調査」の結果を発表していました。コミュニティサイト「はっぴーママ.com」からの引用で、「はっぴーママ.com」が9月2日~11月20日に調査したもので、調査件数は12,527件(男の子6,432件、女の子6,095件)です。

 さて注目の名前=メーンのイラスト参照=は、男の子が①「悠真 (ゆうま、はるま)」47票。以下は②「湊(みなと、そう)」42票、③「蓮(れん)」35票、④「大翔(ひろと、やまと、はると)」33票、⑤「陽翔(はると、ひなと)31票。

 女の子は①「葵(あおい)」54票。続いて②「結愛(ゆあ、ゆな、ゆうあ)」37票、③「結菜(ゆいな、ゆうな、ゆな)」33票、④「結衣(ゆい)」「陽菜(ひな、はるな)」29票でした。

 「読み」については=イラスト㊥「読み」ランキング.jpg参照=、男の子は①「はると」176票。以下②「ゆうと」105票③「はるき」97票④「そうた」88票⑤「そうすけ」83票と続いています。

 女の子は①「ゆい」92票②「あおい」85票③「あかり」84票④「りん」63票⑤「さき」61票でした。男女ともに1位、2位は昨年と同じ結果です。

 使われている「漢字」のランキング=イラスト㊦=も発表されています。ちなみに漢字の1位は、男の子が「太」、女の子が「愛」で、この2文字は2008年以降ずっと1位をキープしているのだそうです。この調査の詳細は「はっぴーママ.comのランキング発表ページ」にあります。

 「漢字ランキング」.jpgこのほか、「たまひよnet」も同じように2013年の名前調査の結果を発表していますが、こちらのトップ3は男の子①「大翔(ひろと)」②「連(れん)」③悠真 (ゆうま)」。女の子①「結菜(ゆいな)」②「陽菜(ひな)」③「葵(あおい)」。この数年は似た名前、同じ名前がランクインしていますし、2つのサイトでもほぼ同じ調査結果になっています。

 週末のとある日、竹橋インターから首都高を抜けて常磐自動車道を走っていたら、カッケエ車の集団に遭遇しました。朝の7時半ごろ、千葉県から茨城県に入った辺りでしたが、30~40台(あるいはそれ以上)のクラシックカーが北上していきました。

●DSC_1169.jpg クラシックカーにあまり詳しくないので、車種はよく分かりませんが、GM(ゼネラルモーターズ)のシボレーやキャデラックのロゴだけは確認でき、1950~60年代のアメ車中心でした=写真㊤、㊧

 その時代は、先日暗殺から50年過ぎたJ.F.ケネディ大統領らの時代。「Golden 50's(ゴールデンフィフティーズ=黄金の50年代)」「Golden 60's」と呼ばれた、文字通り米国の黄金時代です。

 アメ車というと、テレビドラマの「クライムストーリー」が忘れられません。制作は1986~88年、日本でもちょっと遅れてだったか、放送されました。2シーズン全44話の大作です。1960年代のシカゴやラスベガスを舞台に、ちょ●Crime Story3.jpgっとスーパー・マリオに似たデニス・ファリーナ演じるトレロ警部補と、ルカ(アンソニー・ジョン・デニスン)=同㊨=率いる巨大犯罪組織との闘いの物語です(写真㊨右側がトレロ、左側がルカ、Youtubeより)。当たり前ですけど、この時代の車がバンバン登場=写真㊨㊦、ツイストを踊りたくなるようなアップテンポの主題歌に乗って刑事たちがさっそうと乗りつけて車外に飛び出す、なんていうシーンにしびれました。トレロ警部補が乗っていた車のテールライトのところが妙にとんがってたのを覚●Crime Story.jpgえています=写真㊧㊦。これはGMじゃないようで、ネットで見たあるブログには「クライスラー300C」とありました。

 (なお、ジャッキー・チェン主演の映画に英語名「クライムストーリー」というのがありますが、この邦題は「新ポリス・ストーリー」ですので、お間違えなく)

 黄金時代に続き、米国はドル・金交換停止(ニクソン­­ショックまたはドルショック、1971年)、ニクソン大統領辞任(1974年)、ベトナム戦争敗北(1975年)・・・と、●Crime Story4.jpg絶頂から転げ落ち、自動車でも排ガス規制などを契機に、環境技術に優れた日本車の時代を迎えたものの、米国経済の"復活"、日本経済の"停滞"、中国の台頭、その他諸々を経て今日に至るのはご存知の通り。

 まあ、時代認識は人それぞれ。あまり米国が世界で威張っているのは、個人的には好きじゃありませんが、それでも、このクラシックカーは、理屈抜きでカッケエと、まあ、そう思うのですあります。

 もうお気づきになりましたでしょうか。パレスサイドビルに本社のある毎日新聞のウェブページが12月2日から新しくなりました。購読者への新サービス「愛読者セット」がスタートして、と同時にウェブサイトの「毎日jp」が全面的にリニューアルされ、サイト名も「毎日新聞」と変わりました。毎日新聞の紙面をそのまま、パソコン、タブレット端末、スマートホンにダウンロードして閲読できる紙面ビューアー・サービスを追加するなど、これまでにない機能があります。

 購読料はそそのままで、新サービスのID登録をした毎日新聞本紙購読者には「紙とデジタルがセット」となります。契約者と同居の家族を合わせた5人までが電子版、紙面ビューアーの閲覧が可能だそうです。

 今朝は、自宅で1面2面3面の政治経済・総合ニュースを読んで、次に社会面を読んで、東京紙面16ページくらし面の野坂昭如さんの連載コラム「七転び八起き」まで読み切れずに出勤の時間になりました。これまでは夕方勤務を終えて帰ってきてから「七転び八起き」を読んでいたのですが、さっそくスマホに紙面ビューワーアプリを入れましたから、毎日すまほ.jpg通勤の地下鉄の中で「七転び八起き」が読めました。タブレットではなくスマホでは画面・文字が小さいかなと思っていましたが、十分なサイズにまで拡大も出来ます。拡大するとスクロールが不便になるということもなく、問題ありません。(アンドロイドスマホの場合)メニューボタンを押すと、「ホーム」「紙面一覧」「ページナビ」「記事一覧」「検索」「その他」の機能メニューが出てきます。「その他」には「バックナンバー」や「ヘルプ」のほか「マイニュース」「スクラップ帳」という機能もあり盛りだくさんです。マイニュースは関心のあるニュース分野の記事が自動的にリスト表示される機能で、スクラップ帳は記事保存ができる機能です。

 同居の家族は最大5台まで同時アクセスというのも便利ですが、高機能紙面ビューアーでは北海道、東京、中部(名古屋)、大阪、西部(福岡市・北九州市小倉)にある各本支社発行の朝刊・夕刊最終版紙面がすべて見られるほか、全国の地域面(沖縄を除く県庁所在地の地域面)が読めます。郷里の地域面を読むことも、大阪の事件事故、大阪市長の動向も詳しく終えるということです。さらに魅力は号外も読めることでしょうか。

 ちなみに全国紙の朝刊の最終版は多くが「14版」です。で、普通のサラリーマンが「アフター5」、ゴルファーが「19番ホール」と言うところを、多くの新聞社では「15版」と呼びます。

 毎日新聞の新サービス「購読セット」はメールアドレスを登録して「愛読者会員」になれば申し込みは簡単です。①毎日新聞のPC版のニュースサイトのトップページにアクセスしてください。②トップページの向かって右上の「会員登録」ボタンをクリックしてください。③次の画面で「愛読者会員登録」をクリックしてください。④会員の認証に必要な毎日ID登録用のメールアドレス入力画面になるので、案内に従って順に手続きを進めてください。

 詳しくはhttp://mainichi.jp/info/に。一部機能が制約されるウェブだけの会員もあります。

 パレスサイドビルの東コア(エレベーター棟)の男子トイレが、週替わりで順番に使用禁止になっています。不便な思いをされている方もいると思います。ご不便をおかけしてすいません。

 工事は、年次計画で進めているビルの諸設備更新の一環で、電気設備を増強するために実施しています。分かりやすく言うと、ビル内に張り巡らせた電気の配線、中でも幹線と呼ぶ大事な線について、今使っている幹線は古くなってきたので、別にもう1系統引いて、安全性を高めようというものです。

 具体的には、1階~9階の男子トイレ内に配線を通す為のスペースを作る工事です。すでに終了しているトイレでお気づきと思いますが、トイレ出入口の姿見がある壁面を斜めにやや手前に出して裏側に空間を確保し、そこにパイプを通します。姿見の隣に小さなドアがついていますが、決して怪しい秘密の部屋を作っているわけではありません。

 この工事のため、トイレが順番に使用できなくなっています。既に東2階~7階までの男子トイレの工事は終え、現在は8階を閉鎖して工事中で、この後、東9階まで順に進め、最後に1階の工事をして12月20日(金)に完了する予定です。

 なお、西コアは2014年度に実施する予定です。また、工事は全て男子トイレだけですので、女子トイレは現状のままです。

 この工事で、ビル利用者の皆さんには、エレベーターホールのリングライト更新で明るくなった、というような、直接、目に見えるメリットはありませんが、広い意味でビルの安全・安心、快適のために必要なものですので、ご理解ください。

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