【2013年11月】のアーカイブ

 あっ、5階の廊下だ・・・屋上も・・・

 テレビ画面前で、思わず(心の中で)口走りました。NHKドラマ「ハードナッツ~数学girlの恋する事件簿~」(11月17日放送)を見ていた時のこと。

 連続爆破テロや密室殺人、企業脅迫など数々の難事件を、女子大生くるみが数学を駆使して解決していくストーリーで全8回の予定。「数学ミステリー」という触れ込みですが、ワタシ的には、あまちゃんの準主役「ゆいちゃん」を演じた橋本愛さん主演だから見ているような・・・。相方の刑事役が、これまたNHKの朝ドラの「おひさま」に出演した高良健吾さんですから、いつもながらNHKの面倒見の良さ(?)には脱帽です。橋本愛さん演じるヒロインは、何年か前にTVドラマや映画が流行った「のだめカンタービレ」で上野樹里さんが演じたヒロインに似たちょっと調子っぱずれのキャラです(失礼!)なので、好き嫌いが分かれるかも。

  ま、それはいいとして、「ハードナッツ」のロケに、パレスサイドビルが使われたんです。放映の少し前に撮影が行われたのを、後で確認しました。で、場面は「警視庁」。お馴染み、桜田門の本物の警視庁の外見が移った後、高良さんが上司を追って廊下を駆けてくるシーン=写真㊤=がビル5階の毎日新聞社●DSC_0814.jpgエリアの廊下、引き続いて屋上に移り、ベンチに座る上司に、高良さんが何やら訴えます=写真㊨

 屋上のロケーションの素晴らしさはお馴染みですが、廊下も当ビルの売り物。イマドキ珍しい幅3メートル、東西に直線100メートル。そして突き当たりはガラスで、特に午後は西側に傾いていく太陽の光が降り注ぐので、今回のシーンのように、逆光線気味にシルエットを浮き上がらせるのには絶好の場所なんです。

 パレスサイドビルのロケは、これまでも数知れずですが、伝説的に語り継がれているのが、丸谷才一さんの原作を大林宣彦さんが監督した「女ざかり」(1994年)。新聞の論説委員役で主演した吉永小百合さんが新聞社の編集局に現れた際に、普段は強面で知られた新聞記者の中も直立不動になる者もいたとか、当時は3階にあった社員食堂(今は地下1階)でクリームソーダを注文したとか・・・。

 このほかにも、最近のドラマでは「サマーレスキュー」(TBS)、「リーガルハイ」(フジ)、「都市伝説の女」(TV朝日)、「特命おばさん検事」(テレビ東京)などが撮影され、映画・ドラマだけでなくCM撮影などにもちょくちょく利用されています。場所は屋上や廊下のほか、東西の玄関やオフィス内も多いということです。

 このホームページの一番下に「ロケ撮影のご案内」のアイコンがありますので、ご興味の筋はご覧ください。

 仕事帰りに少し足を伸ばして、パレスサイドビルにも出店いただいているビアホールの「銀座ライオン 新宿センタービル店」でちょっと黒ビールを楽しみました。店内の天井には満天の星、星座が散りばめられ、黒ビールの味をさらにすっきり爽やかにします。残念ながらスマホの写真撮影にしくじりましたので、メーン写真はお店のWebページから引用させていただきます。パレスサイドビルのB1階「ビアダイニング ライオン」は普通の天井ですが、全国の銀座ライオンあるいは系列店は天井の夜空の星があちらこちらの店にあるようです。青山一丁目店などなかなか見ごたえのあるディスプレイです。

 さてディスプレイではなく、ほんものの夜空ですが、国立天文台のWebページにも「アイソン彗星」の特集が出来て、冬の朝の夜空を見上げる人が少し増えているようです。

 NASAによると、アイソン彗星は2012年9月に「国際科学光学ネットワーク(ISON)」に所属する2人の科学者によって、地球からおよそ9億4000万㌔㍍離れた宇宙に発見されたそうです。そのときからすでに、時速7万7000㌔㍍という恐るべきスピードで太陽に向かっており、ついに11月29日に太陽に最も接近する「近日点」を通過するといいます。そうです、明日の朝、太陽にもっとも接近するのです。

 太陽接近.jpgまた、アイソン彗星は本体の核が4.8㌔㍍と彗星としては大きいため、太陽に接近した後には巨大な尾をなびかせる「大彗星」となる条件が揃っているとも言われています。国立天文台はWebページ『近日点通過の11月29日の前後4日(11月25日頃から12月2日頃まで)は、アイソン彗星と太陽との見かけの距離は10度を切り、彗星は太陽にきわめて近くなります。双眼鏡や望遠鏡を使って観察する際は誤って太陽を見てしまうことがないように、十分に気をつけてください』としていますが、12月4日頃からは、より観察しやすくなる予定です。

 「夜明け前、東の空でアイましょう」キャンペーンもあるようです。デジカメで撮影したり、双眼鏡で覗いたり、12月上旬が観察好機だそうですよ。夜明け前、東の空、願い事は何にしましょう。アイソン彗星.png12月5日の東京の日の出は 6時35分です。

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お腹 萌え~

 先日訪ねた井の頭自然文化園(武蔵野市、三鷹市)の続きです。

 動物たちとの触れ合いは、昨今、多くの動物園が志向しているところですが、こじんまりしたここだから、上野や多摩よりゆっくり楽しめます。

 で、なんといっても「リスの小径(こみち)」ですね。広さ約650平方メートル、高さ4~5.7メートルのゲージ内を歩きながら、放し飼いの約100匹のリスを間近に観察できます。リスが逃げないようにしている二重扉を通って入ると、足もとをリスが横切り、クルミか何かを食べているのも見られます。昔、ロンドンのハイドパークでリスに飴をあげた記憶がよみがえりました。でも、ここでは餌をやるのはご法度。

 この小径、1989年のオープンですから四半世紀の歴史を誇ります。毎日新聞2012年07月21日朝刊によると、その年6月に台風による強風で近くの22メートルのアカマツが倒れて直撃。鉄製の支柱が折れ、裂けた金網の隙間からリス30匹以上が逃げ、約1カ月後に修理して再開したという事件があったそうです。ちなみに逃げたリスは38匹を捕獲・収容したそうです。

 でも、今日の話のメーンは「小径」を出て ところ、別のゲー●猫の腹.jpgジで金網を上り下りするリスです。おなかを見せて動き回る姿が何とも愛らしくて、必死に撮影を試みましたが、動きが早くて大苦戦。意地になってスマホの連写機能も駆使して、やっと撮れたのが一番㊤の写真です。

 動物のお腹って、カッワイイね!

 ってことで、ネットで探してみたら、「仕事もプライベートも全力でがんばる女性におくる、脱力ライフ提案サイト」●ラッコの腹.jpgと謳う「Pouch」に、腹を見せる猫特集ャンコを真下からみると悶絶する可愛らしさだニャhttp://youpouch.com/2013/10/15/138440/)=写真㊨=や、「モフモフキュートな赤ちゃんラッコ」のお腹の写真と動画(http://youpouch.com/2013/10/25/139727/)=写真㊧=がありました。

 あなたも是非、癒されてみてください。

 ボーナスシーズンは何か新しいものを1つくらいは購入したくなるものです。私が今、狙っているのは電子書籍用のタブレットです。しかし、そもそも通勤電車の中では『居眠り時々文庫本』派ですから、もう少し慎重に比較検討しないと猫に小判、豚に真珠になりかねません。実際に、タブレットを買ったあと、電子書籍ストアからコンテンツを割引セールで購入しても読まないままタブレットの中に電子書籍がどんどんたまっていく新型の「デジタル積ん読」も増えているそうです。電子書籍コンテンツ.JPG

 パレスサイドビルに直結している地下鉄竹橋駅から乗り換えも含めて、通勤の乗車時間は40分もありません。この間の社内風景を観察していると、「スマホあるいは携帯」50%、「新聞・雑誌・本」10%、「何もしていない・無念無想」35%で、「タブレット」は3%くらいが私の体感です(数字に出典データはありません)。

 業界の調べでは、2012年度の電子書籍コンテンツ市場は729億円。各社からタブレット端末が投入され、端末普及ペースが想定よりも早く、電子書籍ストアの整備もさらに進むことにより、拡大は加速する見込みです。電子書籍コンテンツ市場全体で、2013年度に1,010億円(2011年度比1.5倍)、2016年度には1850億円(同2.8倍)に達するとみています=グラフ㊤。

 電子書籍専用端末もKindle paperwhiteや楽天のコボタッチなど注目を集めており、2012年度は前年比2.3倍の60万台と順調に出荷台数を伸ばし、今後も右肩上がりだそうです。

 ただ電子書籍専用端末と、ある意味汎用の電子書籍閲覧端末の仕切りは購買者には分かりにくく、またスマートフォンが大画面化してきたことにより、スマートフォンを利用して電子書籍を読むこともできます。私のスマートフォンにも電子書籍アプリは既に2つ入っていますが、閲覧端末の選択肢が広がるにつれて、ユーザーの迷いも広がる傾向にある、と思っているのは私だけでしょうか

 電子書籍ストアの利用率は、分散していますが、楽天「kobo」が2.5%、僅差でトップだそうです。アマゾンのKindleストアが2.1%、アップルの「iBookstore」が1.4%という調査結果になっています=グラフ㊦。その他の電子書籍ストアは利用率1%以下が大勢を占め、電子書籍ストアは良く言えば百花繚乱、悪く言えば「乱立」している実態のようです。コミックや小説、あるいは分野ごとに電子書籍ストアの特色が全くないわけでもありませんが、取り扱い点数も十分でなく、ストアごとの専門性(強み)が分かりにくいのが難点です。規格の統一化というより、ユーザーに使いやすいストアに収斂していくのでしょうか。電子ストア.png

 アップルの「iTunes」などデジタル音楽の世界では、DRM(デジタル著作権管理)を外すなどオープン化が進んできています。電子書籍は音楽にまだ少し水を空けられているようで、私ももう少し情報収集しながら、歳末商戦の値ごろ感を見ることにします。

 (メーン写真は書籍専用ではない、汎用サイズのタブレットです)

 来週は12月ですね、「もう今年も終わりかぁ、時の過ぎるのは早いなぁ」とジジくさい言葉は抑えて、抑えて、楽しいクリスマスだ! 正月だ! と、ワクワクでまいりましょう。

 というわけで、クリスマスツリーです。デパートや大型商業施設、商店街その他のスポットではツリーや街路樹のイルミネーションなどが目立ち始め、クリスマスメロディも流れ、気分が日一日と盛り上がってきています。わがパレスサイドビルにも25日、地下1階の商店街の中央廊下吹き抜け部分に6.2メートルのビッグツリーがお目見えしました。

 今年のテーマは、「落ち着いた大人のブラウン&ゴールド」。気品があり、煌(きら)びやかなパレスサイドビルのイメージを演出したもので、ツリーの台の部分はややピンクがかった茶色、オーナメント類も、あえて赤や青の定番を避けて夢の階段上.jpgゴールドやイエローなどを中心にあしらいました。

 大ツリーのほかに、正面玄関わきのオープンスペースにLEDイルミネーションやゴールド、シルバーのボール等の10種類のオーナメントを吊るして飾ったクリスマスツリー、中央廊下吹き抜けの階段の上には左右に小さなツリー=写真㊨㊤=も設けました(中トトロ、小トトロ、って感じでしょうか)。1階DSC_1196.jpgと地下1階の廊下の天井には「Merry Christmas 2013」のブラウンとゴールドを基調にしたキューブ型「立体ポスター」を下げ=写真㊨㊦、コンコース壁面から夢の階段側面までは、メインスペースを彩る透明感のある淡いブラウンと金ネットのベールも配置=写真㊧㊦。これら天井・壁面の装飾とツリーの統一感を持たせています。

 さらに、ビックツリーの足元と、東側正面玄関の受付、西側毎日新聞社受付には柔らかい色彩のポインセチアの新種「ビジョンオブグラDSC_1190トリ.jpgンデール」をテーマフラワーとして設置しています。

 この飾り付けは24日午前7時半から総勢15名の作業員が取り組ました。大きなツリーは3段に分かれていて、順に重ねていきましたが、大きいし、重いし、スペースが限られた中での作業は慎重の上にも慎重に、ということで、他の飾りつけも含め、なかなかの大仕事。全て終わったのは午後4時。作業の皆さん、お疲れ様でした。

 小洒落た感じに仕上がっていると思います。どうぞ皆さんパレスサイドビルにクリスマスデコレーションを見に来て下さい。

 例によって手前味噌で恐縮ですが、パレスサイドビルが、この度、東京消防庁の徳留壽一企画調整部長から感謝状をいただきました。秋の火災予防運動(11月9~15日)の企画の一つということで、「地域の安全のために、防火に関する広報を積極的に推進した功労」を評価していただきました。

 具体的に何をしたかですって? やはり、ビル管理者として、消防関係の法令に即して設備・機器を万全に備え、また自衛消防隊を組織するとともに、テナントの皆さんに呼び掛けて春秋の訓練に励むなど、日ごろから防火・防災に取り組んでいることを評価していただいたのだと思います。

 また、管轄の麹町消防署の広報誌「プロメテウス」206号(9DSC_0837.jpg月発行)に、ビルの防火への取り組みを寄稿したので=写真㊧、今回の感謝状ではこのことも考慮されたのかもしれません。

 3月には東京消防庁の消防総監感謝状も頂戴しました。ビルを営むものとしては当然やるべきことをやっているだけですが、きちんと取り組んでいると見ていただいたのは光栄です。今後も感謝状に恥じない「安全・安心」のビルであり続けるために頑張っていきたいと思います。

 11年ぶりの日本ツアーを展開している元ビートルズのポール・マッカートニー(71)が、大阪と福岡の公演に引き続き18日、19日、そしてきょう21日は東京ドーム公演を開催しています。自身13度目の東京ドーム公演で、東京ドームでの公演の史上最年長アーティスト記録を更新したようです。71歳5カ月での公演はサイモン&ガーファンクルが持つ平均67.7歳を3年8カ月、ソロアーティストとしても小田和正(66)の64.0歳を7年5カ月上回っています。

 5万人のファンの大歓声に迎えられたポールは「コンバンワ、トーキョー! タダイマ~」と日本ポール.jpg語であいさつ。先月14日に発売された新アルバム「NEW」のヒットに感謝し、収録曲4曲をはじめ、「ヘイ・ジュード」「レット・イット・ビー」などビートルズ時代の名曲を含めた40曲近くを年齢を感じさせないパフォーマンスで熱唱しました。「福島の被災者にささげたい」としたのは「イエスタデイ」でした。

 私の妻と娘も三塁側2階席で豆粒のようなポールを見ながら、「すばらしかったのひと言」と東京ドームの感想を話していました。

 今年5月4日のブラジル公演を皮切りにスタートしたワールド・ツアーは、初めて訪れる地やロック・フェスティバルも含み、6月18日に71歳の誕生日を迎えたとは思えない、まさに精力的なもの。ザ・ビートルズ時代を含め"初めてコンサートで演奏する"という「エイト・デイズ・ア・ウィーク」や、巨大なスクリーンをバックに畳みかけられる名曲の数々。6月10日NY公演では全38曲中26曲がビートルズ・ナンバー。そして今は亡きジョン・レノンやジョージ・ハリスン、リンダ・マッカートニーに捧げられるナンバー。全員合唱・全員号泣必至の「ヘイ・ジュード」等、至上最高のエンターテイナーが、ありったけの感動を「そこにいる(OUT THERE)」あなたへ「わざわざ出かけて(OUT THERE)」届けに来てくれる、と評判でしたがそのNY公演の熱気は日本公演、大阪、福岡、そして東京でも満ちあふれていたようです=写真

 パレスサイドビルに近い日本武道館で最初に行われた音楽公演は1966年6月のビートルズ公演。熱狂的なファンによるトラブルを避けるため、ファンはアリーナ席には入場できず1階席と2階席のみへの入場でした。また、場内の照明が落とされることはなく場内が明るいままでの公演でした。あの日本武道館から47年、ビートルズ・ナンバーにまたひとつ伝説が出来ました。

 先日、我が国近代下水の発祥の地ともいえる神田下水を当ブログで紹介しましたが、よく調べると、日本初は横浜とも言えるようです。

 横浜市環境創造局のホームページに「下水道事始め」というページがあり、明治時代の整備の様子が紹介されています。

 そこでは、まず「日本で初めて横浜に導入されたもの」として、「公園、新聞、競馬の他、鉄道、電信、水道、ガスなど都市の基盤を担う技術」を誇らしげに列挙。下水に関しては、「居留地の外国人たちは、産業の発展とともに汚染が進んだ自国の状況をつぶさに見ており、都市の基盤整備の重要性を痛感していた」と説明しています。

 具体的な導入の経緯としては、「元治元年(1864)11月に各国領事と幕府との間で交わされた『横浜居留地覚書』に基づいて」、明治政府最初のお雇い外国人だった英国人のリチャード・ヘンリー・ブラントンが、1869(明治2)年、瓦製陶管による下水管の埋設に着手し、1871年に完成したというからかなり早いです。ただ、容量が全く追い付かず、詰まってばかりいたため、神奈川県は1880年から、改修工事の調査・計画立案に取り掛かり、御用掛三田善太郎をその責任者として1881年から1887年にわたって施工され、煉瓦卵形管(内径3×4.6メートル)約4キロ、陶管(1×1.6メートル)12.6キロが敷設されました。神田下水が造られたのは1884~85年ですから、たしかに横浜が早い。

 ちなみに、この下水は、神田下水と同様、英国人J・フィリップが考案した逆さ卵形で、流れる下水の量が少ないときも流速を確保でき、ごみが堆積しない合理的な構造ということです。中土木事務所.jpg

 1981(昭和56)年に、山下町の横浜開港資料館に隣接する開港広場の造成工事の際、発掘された卵形下水管が資料館地下閲覧室脇にそのまま保存されている(横浜市中区ホームページより)ほか、市中土木事務所の前にも展示され=写真㊤と㊧、すぐ脇に記念碑もあります。「旧横浜居留地煉瓦造下水道マンホール」として1998年に国の有形文化財に指定されました。ブラントン.jpg

 また、横浜スタジアムがある横浜公園の一角に、ブラントンの胸像=写真㊨㊤=があります。ちなみに横浜公園もブラントンの設計・施工(1871、72年)とのこと。このほか、フェリス女学院大近くの山手公園には「近代下水道記念碑」=写真㊨㊦=もあり、横浜市を挙げて、「元祖・下水道」をPRしています。近代下水道記念碑.jpg

 でも、パレスサイドビルが千代田区にあるからというわけでもありませんが、横浜=1番というのには、ちょっと釈然としません。だって、居留地は治外法権の「外国」で、日本側に「返還」されたのは1899年です。つまり「日本」の近代下水道発祥の地は神田であると、ワタシ的には認定させていただきたい・・・けど、ちょっと苦しいか? 文化財指定も横浜は国、神田は都だからなあ。

 ちなみに、ネット百科事典Wikipediaは神田を「初めて整備された近代下水道網」、横浜は「日本初の近代的下水網の構築」と区別。東京都水道局のホームページは神田を「初めて日本人の手により計画・設計・敷設された近代下水道」、国指定文化財のデータベースは横浜を「日本人の計画になる最初の近代下水道遺構」と記しています。

 う~ん、どっちがどうなんだか、わかんなくなりました。

 NHKの連続ドラマ「ごちそうさん」第40話で出てきた 三角おにぎりと俵のおむすび がネットなどでも話題になっているようです。おむすびの形は三角に決まっている!というのは、実は全国のスタンダードではない。関西では、俵の形のおむすびが一般的で、三角のおにぎりは、法時や葬式など弔辞のときに使う、というものです。関東と関西の食文化の違い、大阪VS東京の争いはいつもヒートアップします。

 「ごちそうさん」をご覧になっていない方のために。ドラマのスタートは東京の洋食屋の娘・め以子(杏)がすくすくと育つところからです。女学生になっため以子は、彼女の家に下宿している大阪出身の帝大生悠太郎(東出昌大)のお弁当として毎日違うおにぎりを持たせます。当然、三角おにぎりです。第31話からは早くも2人は結婚してドラマの舞台は大阪に。大阪の風習を知らないめ以子は義妹にお弁当を作るだが・・・・・・。義妹は女学校で隠れてお弁当を食べ、担任の先生がその真相を訊ねに来る=写真㊥=、という騒動に広がって、第40話でその三角おにぎりと俵のおむすびが決定的に対決させられるというわけです。

 三角おにぎりは仏事用。普段は俵型のおにぎりを食べる。ネットではこの関西の風習って事実なのかな? という流れになっているようです。ドラマ.jpg

 パレスサイドビルにはコンビニ2店舗をはじめ、テークアウト用におにぎりを販売している飲食店など数店が入っていますが、多数派は三角おにぎりです。しかしコンビニによっては俵(というよりも四角)おにぎりも2割くらい置かれています=メーン写真。では、関西のコンビニには三角おにぎりは置かれていないで、俵型ばかりなのか、あるいは俵型優位かというとそういうわけでもないようです。

 コンビニおにぎりは製造工程やパリパリの海苔など、システム的に三ドラマ弁当.jpg角が主流になってきているけれど、数十年前までは、地域によりくっきりわかれていたとか。

 同僚の大阪出身の奥様は、祖母のおにぎりは俵型で三角おにぎりに憧れていたそうです。別の40代男性同僚は「和歌山のお祖母さん宅では俵型しか食べたことがない」と言います。九州でも俵型のおにぎりはあまり見ません、という人もいますが、私が住んでいたころはコンビニおにぎりの3割は俵型、7割は三角で折衷型でした。

 西と東とでは、醤油の味も違いますし、この番組でもめ以子は醤油にカルチャーショックを受けていました。京都の人は、大阪と一緒にするなと主張することも多いし、北海道にも地域の味があります。

 「じぇじぇ」の前シリーズも高視聴率でしたが、話題作りの面から言えば、このごろのNHKは正鵠を射ているようですね。

 先日、神保町画廊でやっていた下水道の内部ばかりの写真展を当ブログで紹介しましたが、すぐ近くに我が国近代下水の発祥の地ともいえる場所があるのをご存知ですか?

 場所はパレスサイドビルからも遠くない神田駅西口を出て靖国通りに向かう多町大通を50メートル足らずの左側。ニ神田下水碑2.jpgシザワ薬局前の歩道に「神田下水」の碑というか、案内板が建っています=写真㊨

 都水道局、千代田区観光協会、日本土木学会などのサイトによると、江戸から明治に時代が移り、海外との交流によりもたらされたコレラが日本各地で度々流行。特に1882(明治15)年には全国の死者3万人、東京府下でも5000人を超えたといい、政府は衛生確保のため上下水道など衛生施設の改良の必要を認識した由。具体的には1883年、東京府に「水道溝渠等改良ノ儀」が示達されたのを受け、内務省技師石黒五十二が、政府お雇い技師だったオランダ人ヨハネス・ デ・レーケの指導を受け、1884~85年に下水道が敷設したとのこと。当時の神田は人口が密集し感染が広がりやすい条件だったために選ばれたようです。

 ちなみに、当時は「万年排水器」と称したそうで、管の断面は横幅610~910ミリ、高さ910~1360ミリ、1846年に英国人J・フィリップが考案した卵を逆さにした形状で、流れる下水の量が少ないときも流速を確保でき、ごみが堆積しない合理的な構造ということです。

 工事は、財政上の理由から2年で中止。結果として建設されたのはレンガ積み管900メートル、陶管3100メートル、計約4000メートルにとどまりましたが、関東大震災や第二次世界大戦、さらには路面交通量の激増など設計時の想定をはるかに超える負荷にも耐え、碑がある神田駅界隈の815 mほどが今も現役で活躍中。うちレンガ積み部分614メートルが1994年に都教育委員会から史跡に指定されました。

 聞きしに勝る、の一言です。

 パティシエ横溝春雄(よこみぞ・はるお)さんの「ウィーン菓子工房 リリエンベルグ」(川崎市麻生区上麻生)の話です。ドイツ語で「ユリの丘」の意味の店名の通り、小田急線・新百合ヶ丘駅(竹橋など都心から1時間足らず)で降りて徒歩15分・バス5分の住宅街ににあります。少し前、神奈川方面へのドライブの帰りに寄りましたが、この一帯は川崎市の肝いりで副都心として開発され、特に店のある山口台はビバリーヒルズのような豪邸が軒を連ねて、ガレージにはBMWやベンツという風情で、ご婦人方は「シンユリネーゼ」とも呼ばれる由。

 お菓子のことは後で書くとして、まずお店の外観です。行ったのは日没直後くらいで、イルミネーションに包まれたメルヘンチックなデザインに、いきなり心臓を鷲掴みにされます=写真㊤。屋根には草木が茂っているのが分かりますか? お店に入る前からワクワクさせるなんて、やりますね。

 前の通りの車の行列は平日の昼にもみられるそうで、常時2人の警備員さんが懸命に誘導。同乗の家族は先に降りて店へ。駐車できるまでの15分ほどの間、訪れるお客さんがほとんど途切れません。

●DSC_0620.jpg 店内にはショーケースに沿って十数人の列=写真㊧。店外に溢れている人もいます。家族は注文を終えて待っているところでしたが、ホームページ(http://www.lilienberg.jp/1home.html)で目星をつけていた当店の定番、ウィーンの代表的お菓子「ザッハトルテ」も、農家直送の「女峰いちご」を使ったショートケーキも売り切れで、 なんとか季節限定の特製モンブラン、ショートケー●DSC_0645.jpgキの代わりにぶどうのケーキ、それにミルフィーユのようなケーキをゲットしました=写真㊨(他に焼き菓子も少々購入)。ケーキは概ね400円前後で大きさも普通サイズ。驚くほど高くてサイズも小さい某有名店に比べて極めてリーズナブルです。

 ただし、モンブランだけは季節限定品ということで600円。でも、その価値がありました。中身は生クリームと栗丸々1個のシロップ煮=写真㊧㊦。 栗は収穫したその日のうちにシロップ煮とマロンペーストに下ごしらえするそうで、甘すぎず、しっとり。生クリームは、ふんわり、控えめの甘さが絶妙です。バニラエッセンスや洋酒などで香りを付けるモンブランが多い中で、ここはそれらを一切入れないとか。新鮮な栗そのものの素材の味で十分、●リリエンのモンブラン.jpgっていうことですね。ダックワーズ(焼き菓子)の生地もすーっとフォークが入ります。食べると、幸せな気分になりました。残念ながら今年の販売は11月11日に終了。一番おいしい時に食べてもらうことをモットーにしているからとのこと。来年の秋をお楽しみに。

 また、お菓子とお茶をいただける素敵なティーハウスが併設されていますが、クリスマスの準備で11、12月はお休み。う~ん、残念。

 横溝さんはオーストリア・ウィーンの老舗洋菓子店「デメル」で日本人として初めて修業を許された方。帰国後、有名店のシェフを務めた後、1988年に「リリエンベルグ」をオープンしました。「テレビチャンピオン・パティシエ選手権」2連覇、漫画「美味しんぼ」44巻に登場等々、知る人ぞ知る実力派。日経新聞Web版でスイーツの専門家らが食べ比べて、極上の商品だけを星付きで紹介する「今週の3つ星スイーツ」(2010年3月スタート)で、通算して星を最も多く獲得。そのインタビューで、新しく出店しないのかと問われ、「事業拡大には興味がない。一番大切なのは一緒に働く人々の輪。店舗数を増やしたら、それができなくなってしまう・・・それに、年中無休の百貨店に出店したら、できたてをすぐ届けるという自分たちの信念を貫き通せなくなる可能性もある」と語っています。

 この頑固さ、いいね!

 パレスサイドビルは一日の在館者数は6000人以上、外部からの入館者数は2万人を超えています。ご存知のとおりオフィス、商店、飲食店、郵便局、クリニックなどが入居するビルですから、何より防火、防災が重要になります。

 東コア、西コアと呼ぶ2つの丸いエレベーター棟がデザイン的に大きな特徴になっていますが、「避難はしご」はこの東西コア近くに2セット設置されています。各階のエレベーターから降りてオフィスへ向かう時、あるいはその逆にオフィスからエレベーターへ向かう時、ガラス戸越しにすぐに目に留まる場所にありますから、館内オフィスの皆さんや外部から来館される方は、ぜひチェックしておいてください。

 はしご②.jpgこの「避難はしごは」消防用の設備ですから材質、構造、各部品など細かく定められていますし、定期的な点検も必須です。6カ月に1回行う「機器点検」と1年ごとにする「総合点検」で、それぞれ有資格者が点検します。機器点検は「作動点検」「機能点検」「外観点検」。外観からまたは簡易な操作で、基準に従って確認していきます。ガタつきや錆、損傷などは、いざという時に避難はしごの用をなしませんからキチンと確認します。

 昨日、1組2人で2班に分かれて管理責任者も立ち会って、各階の避難はしごを順次点検していきました=写真。避難はしごは垂直ですので実際に使って降りる際は、少しハラハラものです。1フロアごとにハッチを互い違いに開口部サイズ分ずらして設置するよう定められていますから、万が一ですが降りる途中で足を踏み外し、手を離すようなことがあっても、5階から一気に1階まで落ちるということはありません。1フロア落下するだけで済みます。とは言うものの運動不足なので、垂直はしごはやはり怖々です。

 先日、東京都立の野川公園(調布市、小金井市、三鷹市)でバーベキューしてきました。長野県の水田を借りて子どもに農作業を体験させつつ大人も美味しいものをいただこうというグループの収穫祭で、老若男女30人ほど集まりました。DSC_0390トリ.jpg

 素晴らしい秋晴れのもと、大人たちはキャンプ道具を運び込み、炭火おこしから、飲み物をいただきながら、ボチボチ、のんびりの作業。子どもたちはアスレチックでターザン遊びなどに興じ、芝生を駆け回ります。食材は分担して持ち寄り(といっても中心メンバーに偏ってしまって申し訳ないんですが)。焼き肉=写真㊨㊤、そしてやや今年はお高いサンマ=写真㊨㊦。傍らでは豚汁を煮たDSC_0406トリ.jpgり、ダッチオーブンでカボチャにひき肉を詰めて上と下からじっくり炭火を通したり=写真㊧㊦。このカボチャ、メンバーの実家(東北の方)から送られてきたそうで、甘く仕上がってサイコーでした。

 バーベキュー場は南側正門に近い場所にあり、木陰がたくさんあるので、夏でも涼しく感じられます。600名まで収容でき、利用料DSC_0414トリ.jpg金は無料(事前予約必要、定員になり次第締切)。

 野川公園は広々とした芝生と、カエデやケヤキ、アカマツ、サクラ、ヒマラヤスギ、クスノキ、クヌギなど8450本もの豊富な樹木で知られ、市街地の中であることを忘れてしまいます。そう、竹橋など都心から地下鉄東西線→JR中央線三鷹へ最速で30分、ここからバスで20分、あるいは最寄駅の西武多摩川線多摩駅へ竹橋から50分、そこから徒歩15分。思いのほか近いのです。

 バーベキューだけじゃありません。通常表記される住所(三鷹市大沢)は管理事務所の所在地で、公園全体は三市にまたがる約40万平方メートル。元々は国際基督教大学のゴルフ場だったそうで、夏などは野川の川辺まで降りて遊べますし、園内はともかく広くてサイクリングも楽しめ、子どもたちが喜んだアスレチック、さらにテニスコート(要予約)、壁打ちテニス(無料)など、大人でも満足できるでしょう。

 ここ以外にも都内にはバーベキューが楽しめる場所は多く、都公園協会はホームページ(http://www.tokyo-park.or.jp/special/bbq/#anc12)で紹介しています。

 パレスサイドビルの施工業者の一社、竹中工務店の「竹中技術研究所公開2013」見学に行ってきました。竹橋駅からは日本橋乗り換えで所要時間ほぼ60分、竹中技術研究所は千葉県印西市にある広大な研究施設です。在籍の研究員と職員は総数300人以上だそうで、竹中工務店と竹中土木の頭脳部分をこの広大な施設に集約していると言えます。樹木対応型壁面緑化システム「バーティカルフォレスト.jpg

 竹中技術研究所(1993年)は、メーン写真のように建物自体が幾何学的構成に基づき、天界からの視線に応答する「風景としての建築」が意図されているそうです。人工の丘に、建物を極力沈めて一体化するため敷地全面にわたって土と水と緑によるさまざまなランドスケープ的処理がなされています。

 研究所公開の今年の大きなテーマは「人と地球にやさしい未来をつくる」。76件のブースやコーナーで『安心・安全』『環境』についての研究開発やビジネスソリューションを展示していました。技術者はもちろん、私のような素人にも興味深いコーナーが数多くありました。

 「明日と未来を見据えたエネルギーシステム」ブースでは7つの展示があり、そのうちの一つは「ゼロエネルギービル」。省エネからさらに進んで〝創エネ〟に向かっていく環境コンセプトは、なるほどと頷けるものでした。「パーソナル空調システム」はデスクのパーテーションに小型の個別空調吹き出し口を設け、その席に座った人の体温を感知して快適な冷房にするそうです。これによって全体の室温は少し高めで省エネしても、在席しているオフィスワーカーは快適な温度で仕事が出来るというものです。「暑い寒いは口にしない」世代にとってはパーソナル空調の快適さよりもコストが気になるのですが、そこはどうなのでしょう。

 いま流行のビル壁面緑化もこれまで主流だったツタではなく、花が咲いたり、紅葉する低木で壁面を多彩に演出する「樹木対応型壁面緑化システム」=写真㊨㊤に変わって、ちょっとイイナって感じでした。ただし剪定はそれなりに大変なようでした。

 サーカディアンリズム(体内時計の24時間周期)に合わせて、昼間は白色光の照明にして=写真㊧㊥、夕方になると自動的にオレンジ光の照明=写真㊧㊦になるシステムは、仕事効率を上げるそうですが、ちょっと苦笑してしまいました。オレンジ色になると、居酒屋さんの看板を思い出すかもしれません。

竹中③.jpg 「地震・津波シュミレーション」と「巨大地震から守る」「建物をしっかり支える地竹中④.jpg盤基礎」「耐火木造と高度な防耐火技術」のブースには合計25展示があり、安心・安全のメーン展示とあって力が入っていました。ここの展示で目立ったのが、BIM(Building Information Modeling=ビルディング インフォメーション モデリング)。コンピューター上に作成した3次元の建物のデジタルモデルが、あらゆる工程で情報活用に役立っていました。もうすでにBIMの時代ですね。

 さらに竹中工務店ご自慢の、広視野角ドーム型スクリーンで建物の内外観を疑似体験できる装置visiMax(ビジマックス)に入ったり、頭部装着ディスプレイも実際に付けて体験しました。

 小児がんと闘う子どもやその家族を応援する「アフラック クラシックチャリティーコンサート 生きる」(アフラックと毎日新聞社が共催)が先日、Bunkamuraオーチャードホー ル(東京都渋谷区)で開かれました。素晴らしい演奏と暖かい演出に感動しました。

 現田(げんだ)茂夫さん指揮、東京フィルハーモニー交響楽団の演奏のほか、出演者が素晴らしい。オペラ歌手の森麻季さんの済んだ声、特にNHKドラマ「坂の上の雲」の主題歌は夢のようでした。新鋭、若干18歳のバイオリニスト、山根一仁さんがのチゴイネル・ワイゼン、しびれました。左の弦を押さえる指が、高温に向かってネック(柄の部分)を根元へ、さらに本体部分の上にまで上っていき、それでも繊細な高音を響かせます。「高所恐怖症」なんて冗談もその世界にはある難しいところですが、それを簡単にやっているように見せるのに魅せられました。ピアニストの清水和音さんは、難しかったです。ただ、ラヴェル「ピアノ協奏曲 ト長調」はいろんな打楽器などが出てきて、ごった煮的(?)に面白いと思いました。

 コンサートには小児がんと闘う子どもや家族ら約50人が招待されたそうです。そして、上あごのがんを克服した東京在住の小学3年生、稲本咲和さん(8)がピアノで同楽団と共演し、大きな拍手を受けました。緊張気味な様子が可愛かったです。

生きるXmas.jpg

 「生きる」は毎日新聞社が1996年に始めた小児がん征圧キャンペーンで、2012年ごろからアフラックがイベントにより共催するようになっています。アフラックは元々、難病と闘う子どもの家族が遠方から病院を訪れる際に1泊1000円で泊まれる施設「ペアレンツハウス」を運営している関係で、趣旨に賛同。今回のコンサートの収益も、「ペアレンツハウス」と毎日新聞東京社会事業団の「小児がん征圧募金」に贈られます。

 毎日新聞社主催の同様のチャリティー公演「生きる~2013Xmas若い命を支えるコンサート」=写真㊧=が12月22日、横浜市の横浜みなとみらいホールで開かれます。世界で活躍する日本のジャズピアノの第一人者、山下洋輔さんが本名(ほんな)徹次さん指揮の神奈川フィルハーモニー管弦楽団と協演します(午後3時開演、全指定席5000円、未就学児は入場できません)。

2013

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ふいご祭り

 11月8日は「ふいご祭」でした。昔からの鍛冶職の伝統ある年中行事として、旧暦11月8日に行われていました。パレスサイドビルでもこの日午後、R階のボイラーの前に祭壇を設けてお神酒などを供え、ビル関係者、業者の方々が参列して、全員で榊を捧げ、これからの1年の無事を祈念しました=写真㊤と㊦

 ふいご(鞴)は、金属の精鉄や加工には欠くことのできない、火をおこすための道具です。吹子とも書き、いわば人力の簡単な送風装置で、エジプトのファラオの墓標の記録,日本書紀の天の岩戸の条の天羽鞴(あめふいご②.JPGのはぶき)の記事などがあり,きわめて古くから使われたと考えられています。旧暦の11月8日には、全国的に鍛冶屋、刀工、鋳物師などが仕事を休んで稲荷神社に詣で「ふいご祭」を行いました。京都や江戸で特に盛んで、土地によっては踏輔(たたら)祭、鍛冶屋祭、お火焚きとも呼ばれます。12月8日や4月8日に行うところもありました。「ふいご祭」は、鍛冶屋や鋳物師だけでなく、火を使う商売の家では稲荷神に詣でてお札を受け、ふいごを清めてしめ縄を張り、お神酒や餅を供えました。またミカンをふるまう習慣もあり、このミカンを食べると、風邪やはしかにかからないと信じられていたため、近所の子どもたちには欠かせないものでした。

 この日のパレスサイドビルでもミカンをお持ち帰りいただきました。

 昭和に入って、ふいごは少なくなりましたが、火への感謝はボイラーをいたわる気持ちにつながることになります。ボイラー安全操業の原点として、昭和11年に汽缶協会が11月8日を汽缶祭と定めました。その後、昭和24年には日本ボイラ協会がボイラーの安全を祈願して、毎年11月8日をボイラーデーとして主唱し、お祭り的な行事から、この日を中心にボイラー関係設備や操作方法の改善をはかろうという実質的な運動に移行していきました。

 ふいご祭のこの日、地域や事業所によってはボイラー祭をしている所もあります。ちょうどこのころが冷房運転から暖房運転への切り替え時期で、火の神様にお参りをしたのちにボイラーに点火するという式次第もありました。ボイラーがビル暖房の要だったということにも重なります。

 いろいろな「ゆるキャラ」の人気を競うコンテストについては、当ブログで逸早く応援してきた千葉県船橋市の非公認ゆるキャラ、ふなっしーが8月の「総選挙」(日本百貨店協会主催)で初代チャンピオンに輝いたことは報告しました。今、熱いのは「ゆるキャラグランプリ(GP)」です。あす11月8日が投票締め切り。

 このGPは、2011年にくまモンが栄冠に輝き、その後の大ブレークにつながったのは有名で、ゆるキャラ界の頂点を決める一番権威のあるコンテストです。

 そこで、今年の状況はというと、これが「組織選挙」なんですって。9月17日にインターネットで投票が始まり、10月7日まで途中経過が公表されていましたが、その上位は①出世大名家康くん(静岡県浜松市)32万pt(ポイント)②さのまる(栃木県佐野市)23万pt③ぐんまちゃん(群馬県)16万pt――がトップ3。以下、④ちょるる(山口県)、⑤ふっかちゃん(埼玉県深谷市)、⑥与一くん(栃木県大田原市)、⑦いっぺー(静岡さのまる.jpg県磐田市)までが10万pt以上を集めていました。投票は、オフィシャルサイト(http://www2.yurugp.jp/)でアドレスを登録し、1日1回投票できるという仕組みなので、毎日投票する「組織票」が勝敗のカギということでしょう。写真は家康くんの8月27日の選対会議(右端は鈴木康友浜松市長)、さのまるの9月2日の出馬表明(右は岡部正英市長)、㊨㊦が9月17日に県庁前で支持を訴えるぐんまちゃんです

 実際の選挙ぶりを、毎日新聞10月31日夕刊が1面で報じています。家康くんさのまるはそれぞれ浜松市長、佐野市長をトップに「選対本部」を設けて役所で出陣式を行い、市職員が企業や団体回り。ぐんまちゃんも10月に県庁で総決起集会を開いた・・・等々、国政選挙並みの盛り上がりだとか。別の報道では、某県庁で1日1回必ず投票するよう、職員のパソコンをインターネットに接続するとグランプリの投票画面が表示されるように設定されているという話もあります。ぐんまちゃん.jpg

 日本史家の磯田道史さんは新聞紙上のコラムで、家康くんの訪問を受けた場面を紹介、組織選挙批判を受けていると聞かされて、「組織力で天下を獲った家康らしくて、いいじゃないですか」と笑い転げたという趣旨のことを、ちょい皮肉っぽく書いていました。

 ちなみに、ふなっしーは昨年のGPにエントリーしたものの、出場880キャラ中506位と散々でしたが、その後にブレイクしたのはご存知の通り。夏の総選挙で天下を取ったので、今回のGPは出場辞退したそうです。

 こういう状況、皆さんはどう思うでしょうか。組織選挙までやるのは、もちろん、くまモンの成功にあやかり、全国区の人気を得て地域おこしに生かしたいということでしょう。まあ、その動機は理解できます。けど、2010年(記名投票と携帯投票の2本立て)で記名1位のひこにゃん(滋賀県彦根市)はまだしも、携帯1位のタボくん(滋賀県)は知ってる人、います? ふなっしー惨敗の昨年GP優勝のバリィさん(愛媛県今治市)も全国的な人気はどうですかね。結局、くまモンの一人勝ちで、ゲリラ的に出てきたふなっしーが一矢報いてるという感じでしょうか。GP優勝でも、即メジャーになれるというほど単純ではないようです。

 GPへのエントリーは今年、1500キャラを超えました。結果は11月24日、埼玉県羽生市である「ゆるキャラさみっとin羽生」で発表されます。

ゴミ④風景.jpg

ゴミ②風景.JPG

                                                          ゴミ③風景.jpg

 きょう11月6日は「千代田区一斉清掃の日」です。春(6月)と秋(11月)の年2回、「生活環境条例」に基づいて行われていますが、千代田区の全域で企業・事業所、官公庁、学校、JR・地下鉄の各駅、町会、商店会などの各団体が一体となって環境美化に取り組んでいます。

 パレスサイドビルでは午前8時、竹橋交差点側の西口玄関前にビル関係者、ビル内のテナント・オフィスなどから約110人が集合。用意した軍手、金ばさみ、45㍑のゴミ袋、箒、チリトリなどを手にして早速取りかかりました。午前8時、(私のスマホのデータでは)気温11℃、湿度72%、降水確率0%、風速0m/s。爽やかな秋晴れになりそうな朝でした。ゴミ⑤成果.JPG

 パレスサイドビルの外周りや高速都心環状線の下、内堀通り沿いの歩道・植え込みなど、それぞれのペースでおおよそ一周する30分間ほどで、吸殻、紙くず、ビニール袋、木屑、折れた傘、缶などを集めました。変わったところでは、植え込みに隠れていたハトの死体も回収しました。

正面玄関前に集められたゴミ袋は担当員が分別、総量で300㍑くらいになりました。皆さま、お疲れさまでした。

 下水の土管の中ばかりを撮った風変わりな写真展を神保町で見て来ました。パレスサイドビルから歩いて10分足らずの神保町画廊(千代田区神田神保町1-41-7安野ビル1階)で11月9日まで開催中の白汚零(しらお・れい)写真展「虚(うろ)」です。(11月5日は休み)

白汚零 地下水道.jpg 白汚さんは40代後半。自身のホームページ(http://www014.upp.so-net.ne.jp/RayShirao/index.html)で「穴写真家」を謳っていて、ニューヨークで写真を学び、帰国後は日本でフリーカメラマンとなり、2000年に上野彦馬賞日本写真芸術学会奨励賞受賞。2010年に初の写真集「地下水道(Undercurrent)」(草思社、2940円)=写真㊧=を上梓しましたが、Amazonの内容紹介欄には「東京の地下に張り巡らされた『地下水道』の世界を、じつに25年間にもわたって撮り続けた写真家のはじめての写真集。明治期に手仕事で造られたレンガ積みの壁面、数十メートルの高低差で水をおろす螺旋状の水道、地下墓所のような浄水施設など、地底に広がる多様な世界が幻想的な画像で再現される。限られた人にしか観ることの出来なかった世界を圧倒的迫力で見せる、新鋭映像作家のデビュー作」とあります。

 今回の写真展=一番㊤の写真、ホームページより=DSC_0502.jpgはモノクロだけですが、写真集やホームページの作品にはカラーも多くあります=写真㊨。一言でいえば、下水って、こんなにキレイなんだぁ、って驚きました。特に、水の質感の表現が面白いですネ。

 なぜ下水道なのか、興味がわいてホームページをよく見てみました。下水道だけでなく、洞窟に人を絡ませた「細道」という一連の作品があり、それに添えた文章に、次のようなくだりがありました。DSC_0508.jpg

 「・・・オーストリアの精神分析学者オットー・ランクは出産による母親からの分離体験こそがあらゆる不安の原型であるとする出産外傷説を唱えたが、産道こそ人間が始めて通り抜ける「穴」であり、出産のショックと共にそれを潜在意識の中で記憶していることも充分に考えられる。・・・」

 地下道といえば、わたし的にはヴィクトル・ユーゴーの「レ・ミゼラブル」での逃避行を、まず思い出します。ポーランドの共産党支配下の反体制映画監督アンジェイ・ワイダの「地下水道」もありました。産道はよくわかりませんが、地下(水)道や洞穴には、何かしら重たいことを、人間に考えさせるものがあるような気がします。

 なお、神保町地域限定フリーペーパー『おさんぽ神保町』が主催する「神保町ガイドツアー」というのがあって、ちょうどこの写真展の最終日の11月9日、「下を向いて歩こう! 第2回 駅からマンホール 秋葉原~神保町編」が行われ、その終点が神保町画廊ということです。マンホールの蓋に萌えようという企画のようで、私はちょっと・・・ですが、興味がある向きはどうぞ。詳細はホームページで(http://osanpo-jimbo.com/tour)。

 パレスサイドビルの全テナントで組織する共同防火・防災管理協議会の「総合消防訓練」が10月31日に行われました。毎年春・秋の全国火災予防運動の時期にあり、今年は秋の運動期間(11月9日~15日)に先だっての実施になりました。

 午後2時30分、「震度5強の地震が発生」との想定で訓練開始。ビル5階東側で火災が発生し、初期消火を試みるも消せずに延焼中として、避難勧告放送が館内一斉に流れると、地下から9階までの各オフィス・店舗から、非常用避難階段などを使って実際に1階まで逃げる一方、ビルの自衛消防隊員がけが人の救131031AED.jpg助訓練などを行いました参加者は春の訓練より50人ほど多い約700人にのぼり、3.11以来の防災意識の高まりを示しました。

 避難訓練の後、屋上に集合し、消火器や屋内消火栓による初期消火、AED(自動体外式除細動器)を使った応急救援=写真㊧、三角巾を使った応急手当などの訓練を実施。ビル1、5、8階に置いているレスキューキットの展示も行いました。初期消火訓練では水を詰めた模擬消火器(本物は消火剤の白い粉が詰まってます)を実際に操作して水をかけました=写真㊨㊤。訓練の好評で麹町消防署の石井里史予防課長は「いざという際に、自然に体が動くようにしておくこと131031DSC_0429トリ.jpgが大事です」と、実際に操作する訓練の大切さを強調していました。

また、西口玄関前には、地震の揺れを体験できる起震車も春に引き続いて千代田区役所から派遣され、参加者は震度7の揺れを感じていました=写真㊨㊦

 今年が初めての新企画として、屋上東エレベーターホー131031起震車.jpgルで非常食の試食会も行われ、当ブログでも今年6月10日、8月30日に紹介したカレーなど、その場でホカホカにしたものを参加者の皆さんに実際に食べていただきました。実はこれが一番の盛況(?)というほど=写真一番上。「非常食がこんなに美味しいとは思わなかった」と、驚いている方もいました。

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