【2013年10月29日】のアーカイブ

 パレスサイドビルのある地下鉄東西線竹橋駅からは2駅、飯田橋駅で下車してほど近い東京理科大学神楽坂キャンパスの近代科学資料館地下1階に、五感を使って数学の理論を実体験できる「数学体験館」=写真㊤=が開設されたそうです。入館は無料ですし、ぜひ一度出掛けてみたいものです。館長は、数学者の秋山仁氏=写真㊦。開設の目的は、学生の学習意欲や教育力向上のほか算数・数学の抽象的概念を分かりやすく伝えるための教具・教材等を開発し、学内外に発信することとされています。「数学体験プラーザ」「数学工房」「数学授業アーカイブス」の3つのエリアで構成され、「数学体験プラーザ」では、小学校から大学までに学ぶ概念や定理・公式をハンズオンで学べる作品100点が常設展示されます。「数学工房」では、数学的作品や教具を制作し、その成果を授業で活用できるようになっているそうです。「数学授業アーカイブス」は、蓄積された算数・数学の講義を、大型ディスプレイやオーディオ機器で学習できる場とされています。

 開館時間は12時から16時、土曜日は10時から16時。所在地は、東京都新宿区神楽坂1-3 近代科学資料館地下1階。休館日は日曜日、月曜日、祝日および大学の休業日。

 親しみやすい数学と言えば、7~9年前の映画とその原作小説「博士の愛した数式」が思い出されます。この映画でちょっと流行った言葉『美しい数字』は、今でも残る流行語かもしれません。

 「博士の愛した数式」は芥川賞作家の小川洋子さんが2004年に第1回本屋大賞を受賞した作品です。2006年1月公開の映画もヒットしましたから、ご記憶の方も多いと思います。

――「ぼくの記憶は80分しかもたない」博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた。記憶力を失った博士にとって、私は常に"新しい"家政婦。博士は"初対面"の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく温かい、奇跡の愛の物語。(「BOOK」データベースより)。秋山 仁 氏.jpg

 「私」の視点で描かれた原作に対し、映画では中学校の数学教師・29歳になった息子が、あるクラスの授業で博士との思い出を語るという設定になっています。監督・脚本は小泉堯史さん、出演は博士に寺尾聰さん、杏子(私)に深津絵里さん、その息子・ルートに齋藤隆成さんと19年後の先生になったルート役は吉岡秀隆さん。作中、博士は杏子の誕生日が2月20日と聞き、博士の記念の時計の裏に書かれた284という数字を見せます。220という数字と284という数字は「友愛数」であると説明します。

 友愛数はピタゴラス学派の時代にはすでに知られていたそうですが、私はこの映画で初めて覚えました。友愛数とは「異なる2つの自然数の組で、自分自身を除いた約数の和が、互いに他方と等しくなるような数」のことです。220と284は一番小さな友愛数の組です。220の自分自身を除いた約数は、1,2,4,5,10,11,20,22,44,55,110で、和は284。一方、284の自分自身を除いた約数は、1,2,4,71,142で、和は220です。220と284は一番小さな友愛数の組です。2番目に小さな友愛数の組は1,184と1,210。次は2,620と2,924です。友愛数と似た数字には、婚約数、社交数、完全数があります。いずれも『美しい謎の数字』です。

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