【2013年10月18日】のアーカイブ

 パレスサイドビルすぐ向かいの東御苑。そのバラ園で、「フローレンス・ナイチンゲール」が、まだ咲いていました。優しい感じで柔らかいピンクの色合いのバラです。

 昨年5月にも当ブログで「今を盛り」を掲載していますが、2009年9月に国際看護師協会(ジュネーブ)と日本看護協会が皇后さまにプレゼントした苗木2本を記念植樹されたものです。国際看護師協会が、姉妹団体にあたる「フローレンス・ナイチンゲール国際基金」の発足75周年を記念して開発を依頼した「フローレンス・ナイチンゲール」という新種で、花はクリーム色、ほぼ通年咲く品種です。優しさと力強さを感じさせます。

 「白衣の天使」として有名なナイチンゲール(1820年5月12日~1910年8月13日)は、イギリスの看護師、社会起業家、統計学者、看護教育学者。クリミア戦争での負傷兵たちへの献身や統計に基づく医療衛生改革で著名近代看護教育の母ですが、病院建築でも非凡な才能を発揮しました。

 "病院建築家"としてのナイチンゲールは、病人の詰め込み過ぎや、病院管理の誤り、そフローレンス・ナイチンゲール・トリミング.jpgして病院の建築構造そのものの欠陥によって、かえって病状を悪化させること、さらには院内感染を誘発して死亡率を上昇させているという現実を深く憂慮していました。

 クリミア戦争から帰国後、陸海軍の病院だけではなく民間病院にも目を向け、とりわけ病院建築のあり方について数々の提言を行っています。『病院覚え書』という著作にまとめられ、「病院がそなえているべき第一の必要条件は、病院は病人に害を与えないことである」と述べています。1871年、彼女が指摘した条件を満たした病棟が、その指導のもとで、ロンドンにある「聖トマス病院」に建築されました。ナイチンゲール病棟のモデルとして歴史に残るデザインです。

 大きな病院は病院建築としても、さまざまな改善がなされています。しかし小さな病院(有床診療所)は、多くの犠牲を出した福岡市の整形外科火災のように、一つ間違えば惨事につながりかねません。防火扉の点検が建築基準法と消防のすき間でこぼれおちてしまうなど、二度と起こしてはならないことです。

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