今宵19日の夜は「中秋の名月」=十五夜です。東京地方は晴天が見込まれ、鮮やかな満月を愛でることができそうです(一足早く昨夜、撮影してみましたが、さすがにスマホでは限界があり、おぼろ月夜かハレーすい星みたいになっちゃいました)。
「中秋」とは、旧暦の秋(7、8、9月)の真ん中の「日」を指し、旧暦8月15日のことです。同じ読み方で「仲秋の名月」と漢字が違うのを見かけることもありますが、「仲秋」の意味は秋の真ん中の「月」、つまり「旧暦8月の月」を指す言葉だそうです。
「月見」の習慣は中国から渡ってきたといわれますが、原始的にはどこでも自然発生的に眺め、ありがたがり、あるいはお願いごとをしたんじゃないでしょうか。ただし、奈良・平安の時代から宮中で観月の宴が催されるなど、上流階級の祭事は中国の影響もあったのでしょう。庶民のレベルでは、季節柄、実りに感謝し、来年の豊作を祈る収穫祭として定着したと思われます。
ところで十五夜=満月とは限らないって、ご存知でした? 恥ずかしながら、最近、知りました。今年、つまり本日は満月ですが、2010年代ではこれが最後で、次は2020年東京五輪の1年後の2021年9月21日の十五夜が8年ぶりの満月になるのです。
旧暦は、新月の日(月が地球と太陽のちょうど間に来た瞬間を含む日)を各月の1日としていました。1カ月は29日間か30日間ですが、実際の周期は29.5日で、周期に微妙なズレが生じ、新月から満月の日(地球から見て月が太陽の反対側に来た瞬間を含む日)までの日数がいつも15日であるとは限りません。このため、満月を愛でるはずの十五夜が満月でないという事態が度々生じるのです。
2011年から3年連続で十五夜=満月でしたが、その前の2010年は十五夜が9月22日、満月が23日でした。来年は十五夜が9月8日、満月は9月9日で、以後2020年まで7年続けて十五夜と満月が1~2日ズレます。
そう思うと、今年の十五夜は一段とありがたいような気分になります。今宵、東京の月の出は17時22分。パレスサイドビルは夜に屋上を開放していないので、そこから見ていただくことはできませんが、お月さまは東~南東に上るので、ちょっと近代美術館のあたりから「月とビル」のコラボをご覧ください。