パレスサイドビルから神保町交差点に向かって歩いて5分、小学館ビルが、えらいことになっています=写真㊤。なんだ、この人だかりは?!
9月2日からの取り壊しが決まっている同ビル(地上9階、地下3階建て)に、ゆかりの漫画家らが思いっきり落書きを描き、通り沿いのガラスに貼りだされ=写真㊨、また、中を覗くと壁や柱に描かれているのが見えるのです(建物内は関係者以外立ち入り不可)=写真㊦。これを知った見物人が、暑いのにドッと繰り出したってわけ。この人出、ただごとじゃないですよネ。
仕掛けたのは、漫画雑誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」編集部で、同編 集部のTwitterによると、「発端はライターさんから『漫画家さんに落描きしてもらえば?』と言われ、無理と思いきや社長室からOK出た」とのこと。同ビルは1967年1月完成ですが、その少し前の64年2月から「少年サンデー」で連載がスタートした藤子不二雄の『オバケのQ太郎』がテレビアニメ化されて大ヒットし、その儲けで建てられた・・・と社内でも言い伝えられ、「オバQビル」とも呼ばれたほどなんですって。漫画と切っても切れないビルなんです。
で、落書きは8月9日に行われ、呼びかけに応じた藤子不二雄(A)さんはじめ、浦沢直樹さん(『YAWARA!」『20世紀少年』)、ゆうきまさみさん(『機動警察パトレイバー』)、島本和彦さん(『逆境ナイン』『吼えろペン』)、吉崎観音さん(『ケロロ軍曹』)ら漫画家約25人が集まり、道路に面した1階応接ロビーの壁面や窓ガラスに次々に〝作品〟を描いたそうです。自身の作品のほか、浦沢さんと島本さんが石ノ森章太郎さんの『サイボーグ009』を描くなど、思わぬコラボも実現したといいます。他にも、『ポケモン』『うる星やつら』など新旧入り混じって賑やなこと=写真㊨は小学館lululu文庫編集部のブログより。
当日、スピリッツ編集部がTwitterで「いま小学館ビルの取り壊し前の落書き大会が大変なことになっております!」と写真付きで"実況中継"すると、続々リツイート(RT)を呼び、「夕方のツイートが18000RT・・・こんな数字あり得るのですね」と編集部が絶句する事態に。あまりの反響に、12日には、16日までの8時半~20時、照明を点灯するサービスを始めたほど。17日以降はブラインドを下ろすため見えにくくなるようですが、昼間なら見えるといいます。
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