竹橋からも近い千代田区麹町。都心のビジネス街なのに、ぷらぷら歩いていると、次々に銅像に出くわします。
先日、老舗の鰻屋さんを訪ねた東京メトロ半蔵門線の麹町駅前に「夏の思い出」(吉野毅・作)という幼い男の子のブロンズ像を見かけました=写真㊤。ちょっと小便小僧っぽい腰つきですが、釣竿でまさに釣りあげようとしてるところでしょうか。麹町4丁目交差点角にあり、とっても目立ちます。
ここから、新宿通りをJR四ツ谷駅方面に歩くと、四ツ谷駅の100メートルほど手前の進行方向右側、みずほ銀行前に、少女が石に座って何かを聞いている「聴く」(富田憲二・作)=写真㊧。その向かいの上智大学の手前には、元気に左手を挙げた「永遠なる少女」(鈴木清貴・作)=写真㊨=があります。
JR四ッ谷駅前のサンサン広場まで行くと、少女と男の子のブロンズ像です。姉弟でしょうか、少女が枝に止まったトンボに人差し指を向け、回しながら採ろうとしています。名前は「トンボ釣り」(伊佐周・作)=写真㊦㊧=とあります。
麹町駅から逆方向、半蔵門方面に少し行った麹町1丁目に2人の少女が手を結び、輪になって踊る「そよ風」(伊佐周・作)=写真㊦㊨=も見かけました。
このブロンズ像は1991年、地域の美化活動に取り組む地元の住民や商店約140社でつくる「麹町地区環境整備協議会」が新宿通り1キロほどの拡幅に合わせて建てたもの。今回、見落としましたが、さらに麹町5丁目の「仲良し公園」にある「飛び込み」という少女の像も含め、全部で6体あるそうです。オフィス化が進む中でも温かみのある街にという願いを込めているとのことです。
ちなみに、新宿通りは、像がある半蔵門から四谷駅までの区間を、地元の要望で「麹町大通」と呼ぶようにして、地図上も、路上の看板も、正式な名称になっています。これも、地元の人たちの街を愛する気持ちでしょう。
ビジネス街に、一見不似合いな子どもたちの像のようですが、ここにも昔から住む人々がいて、その中にはもちろん子どもたちもいるわけで、子らにすくすく育ってほしいという人々の思いが、6体の像に込められているのですネ。