【2013年6月24日】のアーカイブ

 すいません、ちょっと贅沢しました。

 パレスサイドビルのある竹橋駅から地下鉄をちょっと乗り継いで麹町駅の3番出口を上がって徒歩1分、麹町4丁目交差点から北へ約100メートル。瓢箪の中に「う」の一文字だけ書かれた看板が目印の老舗「うなぎ秋本」さんに行ってきました。都会の真ん中とは思えない情緒あふれる数奇屋造りのお店です。

 「割きたて・蒸したて・焼きたて」をモットーに、厳選した国産うなぎを創業以来の秘伝のタレで丁寧に仕上げたうな重・蒲焼が評判の店。「ミシュランガイド東京・横浜・湘南」で2011~13年版の3年連続「一つ星」を獲得、入口の看板は今東光さんの筆になる・・・と、謳い文句に事欠かないのは創業105年の歴史のなせる業でしょう。

 頂いたのはうな重。松・竹・梅・鶴と4つあり、奮発して「梅」(3500円)+肝吸(200円)を注文。2段重でご飯と鰻が別に出てきます。ちなみに、お重は輪島塗とか。どうりで品があるわけです。

 蓋を開けると、見てください、飴色に光るうなぎの登場です。蒸してふっくら焼き上げてあり、箸で挟むときは、慎重に扱わないと身が崩れてしまうほど。やや甘めながらお上品なたれとマッチして、口の中で「これぞ、うなぎ」という味が広がります。本当にとろけるんですね。胃袋が「満足じゃ」とそっくり返りました。

 でも、いつまでうなぎが食べられるのか、心配な報道が相次ぎまP6120159.JPGす。環境省は2月、ニホンウナギを「絶滅危惧種」に指定、本日(6月24日)の報道によると、世界の科学者らで組織する国際自然保護連合(IUCN)が、絶滅の恐れがある野生生物を分類した世界で最も権威のある「レッドリスト」で、ニホンウナギを絶滅危惧種に指定する可能性があり、7月1~5日に英国で専門家を集めた会合を開いて議論するということです。

 少し前、水産庁の調べで、ウナギの稚魚シラスウナギの国内養殖量が4月末時点で約12トンと、不漁だった前年からさらに25%も減ったという記事も目にしました。国内で消費されるウナギはほぼ全て養殖なので、稚魚の減少は価格に直結。ウナギの流通量は2000年の16万トンをピークに2012年は3.7万トンまで減少しているといい、養鰻業者の稚魚の仕入れ価格は2006年までの1キロ約30万円だったのが、今年は約260万円に高騰。小売値も上昇の一途です。

 うなぎの産卵海域を解明して、卵から養殖しよう(現在は稚魚を採って、そこから養殖)という研究が進んでいるという報道もありました。研究者の皆さん、ぜひ頑張って、庶民のプチ贅沢な味を守ってください。

竹橋ガイド

calender

Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

June 2013

category

カテゴリ

月別アーカイブ

月別 アーカイブ

eBook

  • 江戸城散歩2008年3月、毎日新聞掲載
  • 江戸城今昔ものがたり
  • 東京・竹橋 花図鑑
  • 東京・竹橋 続花図鑑
  • 東京・竹橋 新緑図鑑
  • 東京・竹橋 歴史絵巻 原始〜江戸時代初期
  • 東京・竹橋 歴史絵巻 江戸時代前期〜現代
  • 東京・竹橋 国際図鑑
  • 東京・竹橋 アカデミー図鑑
  • 東京・竹橋 文学散歩
  • 東京・竹橋 紅葉図鑑
  • 東京・竹橋 歳時記
  • 東京・竹橋 さくら図鑑