【2013年5月】のアーカイブ

 「こんな花が庭で咲いたよ」と同僚からの知らせ。

 20年前に鉢植えを購入して庭で育てたのが増えたホタルブクロだそうで、この株は茎が30センチほど。70~80センチまで伸びるそうですから、まだ育ちざかりか。花は約7センチと結構大きく、これから1カ月ほど楽しめるとのこと。(写真の右後方のやや濃い紫の花はシラン=紫蘭)。

 ホタルブクロはキキョウ科の多年草で、原産地は日本を含む東アジア。変種のヤマホタルブクロという山地に咲く仲間があって、どちらも花は白いものもあり、ほとんど見た目は変わらないのですが、萼(がく)の間に反り返る付属片があるのがホタルブクロの特徴で、萼の間が盛り上がっているヤマホタルブクロと見分けられます。

 漢字で「蛍袋(ほたるぶくろ)」と書くように、「花の中に蛍を閉じ込めるとその明かりが外へ透けて見える」ところから呼ばれるようになったという説が有力のようです。提灯の古い呼び方である「火垂(ほた)る袋」が転じたという説もあるようで、別名「チョウチンバナ(提灯花)」とも。

 似たものにツリガネソウ(釣鐘草)があり、同じ「ホタルブクロ属」の仲間。ツリガネソウは種類が多くて、色、形も多様で一概には言えませんが、ホタルブクロの方が花は縦長という印象です。ホタルブクロをツリガネソウと呼ぶ人もいるようですが、ツリガネソウは、本来はラテン語で釣鐘を意味するカンパニュラ(英語名ベル・フラワー)のこと。原産地・地中海沿岸の西洋種です。

 4月10日の当ブログで、パレスサイドビルに近い牛ケ淵(九段会館と北の丸公園の間)にヘイケボタルが生息していることを紹介しましたが、花に蛍を入れるなんて、そのものズバリの「釣り鐘」より、とってもロマンチックなネーミングで好きだな~。(^―^)

 関東地方も昨日梅雨入りしました。都心ではまだ本格的な雨ではありませんが、近年はゲリラ的な集中豪雨なども頻発する傾向が強まっているようです。というわけで、パレスサイドビルはこのほど、水害の発生に備えた水防訓練を実施しました。

 参加したのは毎日ビルディング社員をはじめ、ビルの警備員、設備管理員、清掃員ら計約50人。まず地下2階の地下鉄竹橋駅改札に続く2か所のビル入口を防潮扉でふさぐ訓練です。床のブロック石や天井の鉄の板が外れるようになっているので、これを除けて、厚さ約20センチ、天井まである防潮扉を引っぱり出して、補強の鉄棒を取り付けて固定しました。写真㊤は、まさに駅の売店前に扉を引き出しているところです。

 続いて、駐車場入口のスロープの上のところで防水板設置訓練も行いました。

 午後からは、土のうの点検、整備もしっかりやりました。ビルの地下2階、5階、6階に配置場所P5260182.JPGが計10カ所あって、全部で400袋を常に備えています。でも、放っておくとホコリを被るのはもちろん、袋が劣化し、必要な時に破れて使いモノにならない......なんてことがあったら大変です。ということで、新しい袋に詰め替える作業を行いました=写真㊧。これが、結構な重労働。土のうは重いもので1個10キロ前後あります。狭く、埃っぽく、蒸し暑い場所での作業でしたから、みんな汗まみれ。改めて日ごろの運動不足を痛感しました。キツカッター~(´Д`;)

 もしもの時にすぐに対応するには、日頃から危機管理の意識をもつことと定期的な訓練が大切だと、強く感じた一日でした。

 明日30日はゴミゼロの日、掃除機の日、女子将棋の日などの記念日となっていますが、文化財保護法公布記念日でもあります。「文化財を保存し、活用を図り、国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献する」ことを目的として」1950(昭和25)年に公布されました。東京の真ん中にあるパレスサイドビル周辺には旧近衛師団司令部庁舎(旧国立近代美術館工芸館)、江戸城外堀跡、旧江戸城清水門、旧江戸城田安門といった国指定の重要文化財をはじめ学士会館(国登録有形文化財)、将門塚(都指定旧跡)など国、都、区の指定・登録の貴重な文化財が数多くあります。

 文化庁によりますと国指定のものだけを見ても5月1日現在で、国宝・重要文化財は全国で12,874件▽史跡名勝天然記念物が2,979件▽重要無形文化財が112人と26団体▽重要有形民俗文化財が213件▽重要無形民俗文化財281件――などとなっておりこのほかに国選定、国登録があり、都道府県、区市町村の指定・登録などを含めると文化財というのは相当な数にのぼり、それぞれが保存、保護に細心の注意を払っています。

 国宝・重要文化財の指定件数を都道府県別にみると最も多いのは東京都で2,714件、2位が京都府の2,140件、3位が奈良県の1,307件――の順です。東京都が関東大震災や100回以上の空襲に見舞われても、貴重な文化財を所蔵している博物館、美術館などが他の道府県に比べ圧倒的に多かったり、文化人などが集まったことから"お宝"が多く残っているのでしょう。国指定の史跡名勝天然記念物では最も多いのは、奈良県の142件で、京都府の133件、福岡県の112件がこれに続きます。

 ところで、京都、奈良、鎌倉などの古都には歴史的な建物など文化財が多くあったため、米軍は文化遺産保護のために古都の空襲を控えた、という話があることはご存じだと思います。米・ハーバード大付属美術館東洋部長だったウォーナー博士が作成したリストによって京都や奈良などの古都は爆撃目標から除外され、免れたというものです。これが広く伝わりウォーナー博士は文化財を救った恩人として各地で感謝され、博士が亡くなって以降、全国で6基の記念碑がたてられました。鎌倉市のJR鎌倉駅西口の広場には博士の顔のレリーフの下に「文化は戦争に優先する」というタイトルの下に功績を称える碑文を記した高さ約2㍍の記念碑=写真=が建っているのです。

しかし、その後、この"伝説"に疑問の声が上がっています。1995年に「日本の古都はなぜ空襲を免れたか」(朝日文庫)を著した大阪樟蔭女子大の吉田守男・元教授の研究によりますと、京都は原爆の投下候補地としてリストアップされていたために他の都市のような集中的な爆撃は控えられ、奈良や鎌倉は人口も少なく、軍需関連施設や工場もなかったために空爆の順位が後になり、予想より戦争が早く終結したために爆撃を免れた、というのです。そして、吉田教授は同書の最後で「"伝説"なるものがいかに根強く、マスコミを含めた国民の間に浸透しているか」と記し、一度広まった"美談"や解釈を変えることの難しさも訴えています。

 福島の未来や希望を探そうと、カラフルでちょっと風変わりなポスターの展覧会がパレスサイドビル1階東側フリースペースと、地下1階中央廊下の吹き抜けで開かれています。6月1日(土)まで。

 名付けて、「希望イロイロバルーン展」。資生堂と毎日新聞社が共同で取り組む「ふくしまの希望ふくらむプロジェクト」のメーン事業ということで、吹き抜けには1階天井から地下1階の天井の高さまでデ~ンとぶら下がった細長いカラフルな24枚のポスターが目を引きます=写真㊤。通りがかったら、思わず足を止めて見入っちゃいますネ。

 このポスター、「未来のワタシ・未来のボク」をテーマに、福島県在住の小学生から公募して集まった絵と作文計305点の中から選ばれた作品をもとに、資生堂・宣伝制作部のクリエーターやヘア・メーキャップアーティストが協力して創作したとのこと。「花屋さんになりたい」「魚になって泳ぎたい」といった夢が素敵な絵になっています。

 1階東側フリースペー2013-05-28 11.05.14.jpgスでは「すてきになってほしいおとな」として、おばあちゃん、お父さん、お母さんの変身後のポスター8点が展示されています=写真㊨。さすが、日本人の美を追求し続けるプロにかかると、どの作品の人物も別人のようですね。小生も変身できるのかな~。

 資生堂と毎日新聞社はともに1872年創業の老舗同士で、140周年記念の社会貢献活動の一環として、このプロジェクトを立ち上げました。東日本大震災と福島第1原発事故の被災地である福島の子供たちの夢や希望がバルーン(風船)のように大きく膨らんで、日本中の人々に届くようにという願いを込め、バルーンとともに展示されています。

 同展は昨年12月に福島の地元いわき市で開かれたのに続き、今年3月にはカナダ・トロントでも開かれています。

 東日本大震災からの復興のシンボルとして南米チリから贈られたモアイ像が宮城県南三陸町の「南三陸さんさん商店街」に設置され、5月25日に贈呈記念式典が現地で開催されました=写真㊤(毎日新聞26日朝刊より)。新聞やテレビで報じられたので、ご存知の方も多いと思います。

 このモアイ像については、3月19日、22日の当ブログでも紹介したように、3月に竹橋から近い丸の内ビルで展示され、その後大阪でも公開され、南三陸の現地で仕上げ・設置されたものです。3月にも書きましたが、1960年のチリ地震の津波で41人が亡くな南三陸町・志津川地区に91年、チリからモアイ像が贈られましたが、東日本大震災の津波で像が壊れたことから、2012年春に来日したチリのピニェラ大統領が、新たな像の寄贈を約束していました。

 像は、高さ約3メートル、重さ約2トン。91年の像がチリ本土の石で造られたのに対し、今回は島の石を使い、島の職人が協力して島内で製作された"ホンモノ"です。

 写真㊨は丸ビルでの展示風景です。同じ像ですが、違いモアイ丸の内.jpgますね。三陸町に設置された像には目があり、帽子(?)を被っています。通常、モアイ像というと、写真㊨を思い浮かべる人が多いと思います。

 実際、イースター島に見られるものの多くはそれで、まれに帽子を被ったものもあるという程度のようです。帽子については、はなから被っていないものが多かったのか、全ての像がかぶっていたのか、はたまた被っていたものでも歳月を経て落ちてしまったのか......。

 目は、本来はモアイ像に取り付けられていたそうです。この目、白サンゴと黒曜石でできていますが、イースター島近海にサンゴ礁がないため、島民は交易で入手していたと見られるとのこと。島内の像はどれも目が失われていて、わずか残った目が島の博物館に展示されています。

 目というと、日本でも仏像の開眼法要などで知られますが、同じように、モアイに目を入れるのは「魂を入れる」といった位置づけで、今回も贈呈式に先立ち、島の石工を迎えて目をはめ込む儀式が執り行われました。

 「商店街に設置」といっても、この商店街自体が、まだ「仮設」の状態だそうです。モアイの登場が、商店街の本格的な復興につながることを祈らずにはいられません。

 上野の国立科学博物館の特別展「グレートジャーニー 人類の旅~この星に、生き残るための物語」を見ました(ホームページhttp://gj2013.jp/)。6月9日(日)まで、月曜休館。

 20万年前にアフリカに生まれた現生人類(ホモ・サピエンス)が、6万年前から地球上に拡散した遥かなる旅路「グレートジャーニー」に焦点を当てた展示で、大きく2部構成。前半は熱帯雨林、高地、極北、乾燥地帯といった過酷な環境の中、どうやって生きてきたのか、探検家・関野吉晴さんが体験した先住民の生活を辿る形で、その知恵や生き方を探り、「人間の生きていく強さ」を再発見し、そこから人類と地球の未来を考えていただこうという壮大なコンセプトです。東南アジアから島伝いに黒潮にのって日本列島に到達した「海上ルート」を検証するために実際に関野さんが作って乗った丸木舟「縄文号」、ホッキョクグマやセイウチといったはく製なども展示し、子どもも楽しめます=写真㊤

 一番の目玉が人類最古のミイラ=写真㊦。ミイラと言えばエジプトを思い浮かべる人がほとんどでしょうが、それより古い約5000年前、チリ北部のアタカマ砂漠のチンチョロ文化のミイラが日本初上陸です。もうひとつ、ちょっと怖いのですが、干し首です。思わず「じぇじぇじぇ」です(NHK「あまちゃん」参照)。世界各地には宗教的な意味合いや部族間の抗争の戦P1040213トリ.jpg果として首を狩る文化があり、19世紀中ごろからアマゾンの先住人たちが観光客を目当てに土産として干し首を売買していたと言います(´∇`)。国立科学博物館が収蔵するそうした3体が10年ぶりに登場です。

 展示後半は、360万年前の人類の祖先が家族で連れ立って歩P1040216.JPGいた最古の足跡化石(ラエトリの足跡=タンザニア)をグレートジャーニーの象徴と位置づけ、様々な科学データをもとに「親子3人」を復元させた姿が見られます=写真㊨。ちなにみ、猿人復元の「学術モデル」をナインティナインの岡村隆史さんが務めたんですって。確かに似てる。

 午前9時~午後5時開館ですが、金曜は午後8時までなので、竹橋などから会社帰りに寄るのもいいのでは。

 とても面白かったのですが、入場料が大人1500円、中小学生600円、親子3人で計3600円。ケチなことを言いますが、常設展(常設展の入場料は大人600円)も見られるとはいえ、国の施設なんだから、子どもだけでもタダにするとか、常設展を見ない人は割引くとか......できればいいのにって、ちょっと思いました。(・д・`*)

 68年前の1945(昭和20)年5月25日、東京は前日の24日に引き続き米軍による大空襲に見舞われました。東京の空襲というと約10万人以上が犠牲になったといわれる同年3月11日の下町大空襲がクローズアップされがちですが、この日の空襲は死者が約3700人、被害家屋は約22万戸と、1944(昭和19)年11月以降106回も受けた東京の空襲の中で、2番目に多い被害があった大規模なものでした。主として麹町、麻布、牛込、本郷などの地域が被災し、山手大空襲といわれています。

 当時、毎日新聞社の本社があった有楽町地区も爆撃機B29から爆弾、焼夷弾が投下され、大きな被害を受けました。毎日新聞社の旧館は難を逃れましたが、毎日会館は焼夷弾の直撃を受け、東日本に唯一あったプラネタリウムを備えた毎日天文館のドームに火が入りダクトを通って燃え広がり次々に燃え移って4階から上がり、4階から上の内部は焼失してしまいました。幸い新聞発行に支障はなかったのですが、道路一つ隔てた読売報知新聞、東京新聞の社屋は全焼したため、26日は両紙と毎日新聞、難を逃れた朝日新聞などとともに共同新聞として発行しました。その後両紙は9月30日までは毎日新聞と朝日新聞の工場で分担印刷をしたのです。

 ところで、25日に焼失した毎日天文館(1943年までは東日天文館)ですが、開館の1938(昭和13)年11月3日から、以前アマチュア天文家、小川誠治さんのコレクションとして紹介したパンフレット、絵葉書などとは別に「星と宇宙とプラネタリウム解説」と題した小冊子も刊行し、販売していました。星と宇宙.png

 A5版より少し大きめで、120ページ、定価は20銭でした。当時の東京科学博物館天文学部主任の鈴木敬信理学士が執筆しており「天球と星」「四季の星」「銀河系と宇宙」「太陽系」「プラネタリウム」の5項目にわたって少し専門的ではありますが、図や写真を使ってわかりやすく解説、星などについてはロマンあふれる内容になっています。プラネタリウムについては全体の図と、星や月をそれぞれに映し出す投影器の写真と図を使って仕組みから映り方まで記し、プラネタリウムが精密であることなどの性能までも説明しています。そして「私たちの日常生活に直接間接関与するところの多い天文現象を、かくも平易に判り易く示してくれるプラネタリウムが出来たことは、天文学活用の上から言って、或は又趣味の上から言って大いに慶賀すべきことでありませう」とPRして結んでいます。

そんなプラネタリウムがわずか6年半で無くなってしまったということは本当に残念ではありますね。

 4年ぶりの開催となった神田祭は、神輿が巡行する11日の「神幸祭」、100基の氏子町神輿が宮入参拝する12日の「神輿宮入(みこしみやいり)」写真㊤はライブログ神田祭.ch(http://kanda-ch.blog.ocn.ne.jp/live/2013/05/)より淡路町二丁目町会の神輿の宮入、そして15日の例大祭と、とっても盛り上がったようです。

 今年の祭りで、地元に住み始めた学生たちが神輿を担いで大いに貢献しました。って言うか、そういう学生は前からいましたが、「システマチックに」祭りに参加した学生が登場したというお話です。

 舞台は千代田区神田淡路町に再開発で建てられた大規模複合施設「ワテラス」=写真学生マンション2.jpg。JR御茶ノ水駅や都営地下鉄小川町駅に近く、竹橋から歩いても15分ほど。ここの約2万2000平方メートルの敷地に、地上41階建て・高さ164.8メートルの「ワテラスタワー」(オフィスと分譲億ション=写真の左側)と、併設の15階建て「ワテラスアネックス」(13階以下はスーパーなどの商業施設など=同右側)からなり、アネックス14、15階の36戸が学生マンション。その入居条件が「ポイント制の地域活動への参加」なんですって。

 ここは1993年に統合で廃校となった淡路小学校の跡地で、地元の人が地域の活性化のために関わり、いろいろと知恵を出した、その一環で決まった入居条件だそうです。

 大手不動産会社が大家になった学生マンションは20平方メートルのワンルームでキッチン、トイレ、バス付き。冷蔵庫、電子レンジ、ベッドなどの家具も付いて、家賃は管理費込みで月7万5000円と、相場より2~3割安。69人の入居希望者の中から、地域の人たちによる面接などの審査を経て36人の入居者が決まりました。義務付けられた地域活動は、地域情報誌の編集や美化活動への参加などのポイント制で、年間12ポイントに達しないと、翌年は契約延長できない仕組み。ポイントとは別に、防災訓練への参加は必須で、祭りや運動会、年末の夜警活動の中から、最低一つ参加することも義務。

 というわけで、神田祭には36人の大半が参加。氏子町会が担ぐ「町神輿」約100基が次々と神田明神の境内に入る12日の「神輿宮入」では、男子学生が地元・淡路町二丁目町会の神輿担ぎを頑張りました。女子学生が務めたのは町会が所属する中神田十三ケ町連合の行列の手古舞(てこまい)役で、山車を先導するため男性風の扮装をした芸者が始まりとのこと。

 粋な町おこしの成果に期待しましょう。

 「栴檀(センダン)は双葉より芳し」。そう、優れた人は幼い時から光っており他人より優れている、ということを喩えて言うことわざですが、実はこの栴檀は香りのよい扇子や線香、仏像などに使われる白檀(ビャクダン)のことを指すのですね。センダンはセンダン属センダン科、ビャクダンはビャクダン属ビャクダン科で、英名もセンダンはChinaberry、ビャクダンはSandalwoodと違う種類なのですが、中国名ではビャクダンをセンダンでいうことから、ことわざもこうなったのです。

 で、そのセンダンが東京・竹橋のパレスサイドビル南側にある皇居東御苑の緑の泉南側にあり、花を咲かせてきました。双葉どころか4~5mもある大木になっていて薄紫色の小さな花がこぼれるようにたくさん咲いていました。ただ、緑の葉っぱもすでに多く繁っているせいか花はそれほど目立っては来ません。

 秋になると黄褐色に熟した直径2cmほどの楕円形の実が枝いっぱいになり、葉が落ちても実だけがずっと残っています。幾千もの珠のように見えることからセンダマ(千珠)が転じてセンダンと呼ぶようになったといわれています。

 実をそのまま犬などが食べると中毒を起こし死ぬこともありますが天日に干したものは苦楝子(くれんし)という生薬として、整腸、鎮痛の効果があるとされています。樹皮を細かく刻んで乾燥したものは生薬で苦楝皮(くれんひ)といい虫下しの薬として、葉っぱは除虫に使われていました。また、木そのものは建築材として用いられるだけでなく、木魚の材料としても使われるなど、大いに役に立つ木なのです。

 パレスサイドビルからぶらりと5分、区立千代田図書館(千代田区九段南1-2-1、区役所9階)で開催中の「本がきらめくアジア色~アジアを知る本200冊集めました~」を覗いてきました。なかなか行けず、5月25日(土)までの会期ギリギリになっちゃいましたが、まだ間に合います。

 良くも悪くも、アジアへの関心は高まってます。昔に比べて、身のまわりにはアジア各国の情報もあふれてはいますよネ。でも、ネットで情報は氾濫し、書籍も多数刊行されるため、逆に求めている情報に巡りあうのが難しくなっている面もあるのではないでしょうか。

 今回の展示は、そんな問題意識から企画されたそうです。主催者の「アジアの本の会」は、そう大きくない出版社を含め15社で作っています。アジアは中国やインドのような大国から、ブータンや東ティモールのような小さな国まで様々で、世界経済の成長センターという顔もあれば固有の文化を守っている国や地域もあり、宗教も民族も多様です。そんなアジアの様々な側面に光を当て、多面的なジャンルの本を作ってきたのが、これらの出版社。ということで、アジアの歴史、社会、文化、暮らし、宗教、食、旅、開発、紛争など幅広いテーマの本約200冊が、ここに集まりました。

 展示では15社とアジアのスペシャリストが選んだ45冊を、オススメコメントとともに紹介中アジア本.jpg=写真㊧。「アウンサンスーチー 愛と使命」(明石書店)、「朴正煕 動員された近代化」(彩流社)、「比較思想から見た仏教」(東方出版)、「大人のための近現代史」(東大出版会)など、読んでみたくなる本がいっぱいです。

 このほか、「行ってみたいアジア」「日本とアジア」「感じるアジア」「知りたいアジア」に分けて200冊以上がリストアップされています。東・東南・南アジアの近現代史の年表も掲示されています。

 展示に併せて、近くの神保町や丸の内の本屋さんで、アジアの本の会20周年記念フェアを開催。次の3店はまだやっています。岩波ブックセンター・レジカウンター(25日まで)、丸善丸の内本店3階レジカウンター(31日まで)、三省堂神保町本店4階レジカウンター(同)。期間中にフェアの帯付き商品を所定のレジで買うとプレゼントもあるみたいですから、図書館、各書店で確認してください。

 外を歩くと、ちょっと汗ばむくらいの良い季節です。さすが、風薫る五月。昼休み、パレスサイドビルを出て5分ほどブラリ。ニュースでやっていた大手町の三井物産の人工池を覗いてきました。カルガモの親子です。

 この池、通称か公称か分かりませんが、「カルガモ池」と呼ばれ、今月7日朝に出勤してきた三井物産の社員が10羽の雛を確認したそうです。お母さんの後について一生けん命泳ぐ雛たちの姿の愛らしいこと。なかなか全員集合とはならず、頑張って撮って8羽です=写真㊤(潜っていたり、見えにくい子もいますので、目を凝らしてよく見てくださいネ)。

 この池でカルガモの誕生・子育てが見られるようになったのは1983年と言いますから30IMG_6163トリ.jpg年。周辺のビル建て替えラッシュのためでしょう、ここ4年は現れず、5年ぶりのお目見え。毎年の恒例になっていたころは、あまりニュースでも取り上げられませんでしたが、久々とあって、今年はほとんどの新聞、テレビもほとんどのところが報じたようで、昼時ともなると、近くのオフィス街から大勢が見物に来て、大そうな人だかり=写真㊧。人慣れしているのか、カモたちは騒ぐでもなく普段通りっていう感じでした。

 IMG_6296トリ2.jpg見ていたら、雛も顔を水に突っ込んで、水草や藻の類でしょうか、一人前にお尻を上げて餌を探している姿が、可愛くて気に入りました=写真㊨

 昔、三井物産の知り合いに聞いたんですが、同社にはカルガモ担当者がいて、日々動向を注視し、餌を与え、報道関係の対応もするそうです。警備員の方でしょうか、長い棒をもって池のほとりで警戒している人もいました。かつて、ノラ猫や野ネズミに襲われ、雛が全滅した年もあり、またカラスも虎視眈々、狙っているようで、それ等を追っ払うのが使命とのことです。

 担当者の任務の仕上げは引っ越しを見届けること。通常は1カ月余りここで過ごし、6月中・下旬に雛がある程度大きくなると、内堀通りを渡って皇居のお濠に移るのです。通りの幅は約40メートル。過去、概ね午前4時台に動くことが多いとはいえ、車通りですから、担当者は「そろそろ」という時期を迎えると、警視庁と連絡を取り、当日は和田倉門外交番のお巡りさんが交通を遮断する、という段取りをつつがなくこなすさなければなりません。結構、大変だそうですネ。こうして私たちはお母さんに従って雛たちがヨチヨチ歩くニュースを見ることができるってわけです。

 ただし、引っ越し時期は年によって結構バラつきがあり、2000年は7月中旬でしたし、1989、90年は引っ越しせず、7月下旬から8月にかけ、この池から直接巣立ったそうです。さて、今年はどうなりますやら。ま、とにかく元気に育ってネ。

東京・下町の祭り好きたちの血が躍る台東区・浅草神社の三社祭がいよいよ17日(金)から始まります。「神輿深川、山車神田、ただっ広いが山王様」というように、江東区の富岡八幡の深川祭、竹橋のパレスサイドビル近くの千代田区神田錦町などを氏子地域に持つ神田明神で先週4年ぶりに行われた神田祭、麹町や大手町、永田町が氏子地域になる日枝神社の山王祭の江戸3大祭りにはあげられていませんが、深川祭の代わりに三社祭を入れる説もあるほど江戸っ子には親しまれている祭です。特に「そいやっ、そいやっ」の掛け声で各町そろいの半纏をまとった勇ましい担ぎ手が威勢よく各町内を練り歩く神輿渡御は勇壮で、多くの人たちを惹きつけます。

 初日の17日は午後1時から、お囃子屋台、粋な江戸火消の木遣り、無形文化財のびんざさら舞、白鷺の舞、などが行列を作って浅草の町を歩く大行列や、びんざさら舞の奉納、氏子44ヶ町の町ない神輿へ浅草神社の神霊を移す「各町神輿神霊入れの儀」が予定されていますが、これに先立って前夜祭ともいうべき16日午後7時からは3基の本社神輿への神霊を移す「本社神輿神霊入れの儀」があります。同日昼にはすでに神社の鳥居前に祭を告げるのぼりが立ち、各町のお店には三社祭の提灯が飾られるなど、準備が進み開催を待つばかりでした。

 18日(土)は例大祭の式典があり、神霊が入った44ヶ町の町内神輿100基が浅草寺裏の広場に参集して一基ずつ発進し、浅草神社に行きお祓いを受けた後、各町内を渡御し祭り気分を盛り上げます。そして19日(日)はいよいよクライマックス。午前6時に本社神輿の一~三の宮が南部、東部、西部に分かれて浅草神社を出発する宮出があり、夕方まで各町を順番に練る本社神輿各町渡御で祭りは最高潮に達します。この間、神社境内では太鼓の奉納などがあり、午後6時本社神輿が神社に戻る宮入りのあと、神輿に乗っていた神霊が本殿に帰る神霊返しの儀で祭りの幕引きとなります。

 浅草や周辺の地域では翌週に浅草神社を中心に「お富士さんの植木市」、6月第1週は本社神輿の華麗さでは都内随一と言われる蔵前神社の例大祭、翌週は千貫神輿で知られる鳥越神社の鳥越祭とお祭りが続き、7月6日(土)~8日(月)には入谷鬼子母神の朝顔市、9、10日(火、水)に浅草寺のほおずき市、そして27日(土)には隅田川花火と楽しい行事が次々と繰り広げられます。

 水面に広がったハート形の浮葉のわきからちょこっと伸びた茎に黄色い小さな花が開きました。東京・竹橋のパレスサイドビルすぐ南にある皇居東御苑の二の丸池のおよそ半分を覆うように広がったアサザの葉群の間から初夏の水面を彩る花が咲き始めました。同じく水面に顔を出すスイレンやハスよりも早く花が咲き、この時季、池のほとりからの眺めを紫色のショウブと二分しているようです。

 アサザは種と、茎から長く延ばした枝がちぎれて根が出て新たに成長していく二通りの方法で繁殖します。種は水底の下の土の中でも数年間生存し、春先に水位が低くなり、底が露出するなどの条件が整うと発芽するそうです。水位が上がると葉柄を長く伸ばして順化できますが、急激に水位が上がると弱ってしまい、減ってしまうこともあります。かつては霞ケ浦でよく見られましたが、生育環境が悪化した上に、水位管理で高くなったまま続いた時期には急激に減少しました。一時、環境省のレッドデータブックの絶滅危惧Ⅱ類に掲載されたほどです。

 このため霞ケ浦などの周辺地域では市民や自治体、小学生などが参加する保全や復元運動がおこり、霞ケ浦の岸に土を入れて浅瀬を造ったり、水位を上昇させる管理を中止させるなどしました。さらにアサザを新たに植えつけるなどした結果、一時は回復が見られ、2007年には同ブックでは準絶滅危惧種にランクが下がったといいます。

 ただ、宮内庁によりますと、東御苑の二の丸池のアサザは霞ケ浦のものではなく、もともと皇居内吹上御苑の池に生えていたものを繁殖させたそうで、江戸っ子のアサザなのです。

 5月2日の当ブログで紹介した千葉県船橋市の非公認ゆるキャラのふなっしー。アサヒ飲料の「十六茶」のCM=写真㊤=への出演を果たし、「全国区の人気」を得たようです。

 このCM、バスガイトに扮したガッキー(新垣結衣さん)に率いられた全国54のゆるキャラが、「YMCA」のメロディーの替え唄に合わせて元気に踊りながら里山を行進するという設定。「ゆるキャラグランプリ2012」(昨年11月)チャンピオンのバリィさん(愛媛県今治市)ら並みいる有名キャラに混じってふなっしーも登場。ちなみに、「ゆるキャラグランプリ2012」ふなっしーアサヒ2.jpgにはふなっしーもエントリーし、この時点では知名度も低く、880キャラ中506位。このCMも当初は後方でチラッと見える程度でしたが、新しいバージョンではガッキーのすぐ脇にいて、独特の動作でしっかり目立っています。今やバリィさんらも食う人気と言ったら褒め過ぎでしょうか。

 CM発表会(2月)にも登場し、ガッキーの隣で暴れまわりました=写真㊧。最も印象的だったキャラを尋ねられたガッキーが「みなさん感づいてふなっしー ウィルコム.jpgいると思うんですけど、ふなっしーですね。どうやって筋力をつけているのでしょうか(笑)」と話したそうです。(発表会の様子はパレスサイドビルを本社とする毎日新聞の「毎日jp」で15枚のグラフ付きで紹介=http://mainichi.jp/mantan/news/20130204dyo00m200012000c.html)。

 さらに、PHSのウィルコムのCM(http://www.willcom-inc.com/ja/ichioshi/cm/参照)にも、バリィさんら10のゆるキャラとともに出演を果たしていました=写真㊨㊤。しかも、最前列!!

 ふなっしーの快進撃は続きそうです。

 バラ好きにはたまらない「国際バラとガーデニングショウ」(毎日新聞社などで作る組織委員会主催、公式サイト「http://www.bara21.jp/index.html」)が埼玉県所沢市の西武ドームで始まりました。16日(木)までですから、まだの方はお急ぎを!

 世界のバラと美しいガーデニングを紹介する国内最大級の祭典バラ1.jpgとして、この季節の風物詩になった催しです。初日の11日朝に飛んでった知人から、左の写真付きで、「大勢の人が次々に会場に入っていっていますが、皆さんどの顔もわくわくしていて、ああ、1年間、この日を待っていたのね...という感じでしたよ」とのメールが届きました。ウキウキ感が伝わってきますね。

 15回目を迎えた今年のテーマは、ズバリ「恋するバラの15年」。バラ愛好家、専門家が自慢の花が展示されるバラの回廊「ロング・ロング・ローズアベニュー」は、過去最長の約バラ2眠れる森の美女.jpg100メートルに話題のバラが勢ぞろいです。中で、知人のお気に入りは「今、100年の眠りを覚ます」と題された出品=写真㊨。「恋するバラ」のテーマから出品者が「眠れる森の美女」を連想して制作したそうで、「バラに囲まれたお城に盾と剣、脱ぎ捨てられた王子の青いマントがバサリ......という設定がなんともドラマチック」との感想でした。このほか、多くの作品の前でもバラ愛好家たちが次々に立ち止まっては写真を撮っていたとか。

 今年は他にも楽しみな企画が盛りだくさん。「バラのふるさとトルコ~ターキッシュ・ローズガーデン~」では、世界初公開の新種「エルトゥールル」が今日も人々を魅了しています=冒頭の写真。日本人育種家がトルコを原種とするバラをイメージして作った濃いピンクの花で、鮮やかの一言。1890(明治23)年、日本への親善訪問の帰途、和歌山県串本町沖で遭難し、地元住民が生存者を救助したことから、両国友好の象徴になっているオスマントルコの軍艦の名前で、セルダル・クルチ駐日トルコ大使の夫人シネムさんが命名しました。

 さらに、アメリカの絵本作家ターシャ・テューダーの庭、女優の故オードリー・ヘップバーンが愛した英国の「ティンティンハルガーデン」の一部を再現。バラの品評会やバラの苗木、ガーデニンググッズ、花をモチーフにした雑貨の販売、栽培についての相談会など盛りだくさんです。

 開園時間は9時半~17時半。中学生以上2000円、小学生以下は無料。

 12日は「母の日」。日頃のお母さんの苦労をねぎらい、感謝を表す日ですね。デパートや町の花屋さんなどではカーネーションの花束や鉢、関連グッズが並び、その日を待っているかのようです。東京・竹橋のパレスサイドビル地下1階にある「花の店アーチ」の店頭にもカーネーションの生花やカーネーションを主体としたアレンジが飾られ、注文を受け付けていました。同店は土曜日は休みなのですが、11日だけは午前中、営業するそうです。

 5月の第2日曜日を「母の日」としたのはアメリカが起源のようです。南北戦争で敵味方なく負傷兵のために尽くしたアン・ジャービスの娘、アンナが母親の死後、母を偲んで教会の日曜学校で開かれた記念会で白いカーネーションを贈って祭壇に飾ったのが始まりとされています。白いカーネーションはアンが好きだった花だそうです。やがて、母親に感謝する気持ちを表すという働きかけはアメリカ全土に広がり、1914年に当時の大統領ウイルソンが5月の第2日曜を「母の日」として国民の祝日にしたのです。そして母が亡くなっていれば白、健在であれば赤いカーネーションを飾る習慣が定着していきました。

 日本での「母の日」は最初、3月6日でした。1931(昭和6)年に大日本連合婦人会が当時の皇后(香淳皇后)の誕生日、地久節を「母の日」としていたのですが、1949(同24)年ごろからアメリカにならって5月第2日曜になったのです。

 実は、「母の日」は世界各国で日にちがまちまちなのです。1年で一番早いのは2月第2日曜日のノルウェー。イギリスは復活祭の46日前から数えて第4日曜日(3月下旬~4月)、ネパールは「母の顔を見る日」として4月末~5月上旬の1日、ハンガリーは「女性の日」として5月第1日曜日、お隣韓国は5月8日に「父母の日」として祝います。フランスは5月最終日曜日。タイではシリキット国王妃の誕生日8月12日を母の日として、国民は母親や王妃ンへの尊敬や感謝の気持ちを表すために、王妃が生まれた金曜日の色「水色」の服を着たり、「水色」の旗を掲げて祝います。母親に贈る花はカーネーションではなくジャスミンだそうです。そして、1年で最も遅いのはインドネシアの12月22日。インドネシアでは1928年のこの日に第1回女性に関する会議が開かれたことからで、1959年にスカルノ大統領が定めたということです。母親は国、宗教に関係なく尊敬されているのですね。

 ところで、国連NGO「セーブ・ザ・チルドレン」がこのほど発表した「お母さんにやさしい国ランキング」で、今年、もっともやさしいと評価されたのはフィンランド。2位はスウェーデン、3位ノルウェーの順で、北欧諸国が上位をしめました。世界176か国を対象に「妊産婦死亡の生涯リスク」「5歳未満児の死亡率」「女性議員の割合」など5項目について総合的に評価してランキングにしたそうで、日本は昨年より一つ順位を下げて31位だったとのことです。経済大国、日本としてはもっと「お母さんにやさしい」努力を続け順位を上げたいものですね。

 神田祭が9日始まりました。前日の8日夕方、境内を覗いてみました=写真㊤=が、普段とさして変わらない風景ながら、なんとなく華やいだ空気を感じました。7日間にわたる祭の中では、神輿が巡行する11日の「神幸祭」と、100基の氏子町神輿が宮入参拝する12日の「神輿宮入」で最高に盛り上がります。江戸時代から継承され2年に1度行われていましたが、2年前は東日本大震災の影響で中止になったので今年は4年ぶりの開催。関係者はいつにもまして張り切っているようです。

 神田祭は山王祭(日枝神社)、深川祭(富岡八幡宮)と並ぶ江戸三大祭りのひとつ、また、京都・祇園祭(八坂神社)、大阪・天神祭(大阪天満宮)と並ぶ日本三大祭りのひとつともされています。

 オープニングを飾る「鳳輦(ほうれん)神輿遷座祭」が9日夕刻にあります。闇に包まれた境内に雅楽の調べが流れる中、身を浄め白装束を纏った神職により、本殿から一の宮、二の宮、三の宮の鳳輦神輿に御霊をお移しする厳かな神事です。

 祭を盛り上げようと、特別企画展「祭礼図巻にみる江戸の粋『江戸っ子だってねぇ』『神田の祭よっ』」もアーツ千代田3331(千代田区外神田6丁目11-14)で開かれています(19日まで、12~19時、12日は20時まで、入場無料、「http://kanda-sp2013.3331.jp/」)。神田明神に近い閉校した中学校校舎を利用した区の展示スペースで、竹橋から地下鉄で銀座線末広町駅1分です。

 図絵や山車人形といった貴重な文化財を展示しているほか、祭の起源を知る資料や昭和初期の祭りの映像、町会の半纏なども展示しています。

 目玉は、江戸~明治期に描かれた「神田明神祭礼図巻」。現物は神田明神所蔵で、細長~い3巻に分かれていて、全長約50mにもなる大作。作者不詳ですが、保存状態の良いものを入手できたそうで、4月に千代田区有形文化財に指定されたばかり。これを高解像度スキャンした複製が展示されています。宝暦から天明期(18世紀後半)の祭りを題材に、町01_01.jpg人たちが中国の戦士の話や日本の昔話を題材に浦島太郎などの仮装をして山車をひく様子が克明に、そしてユーモラスに描かれています。例えば金太郎はイノシシに乗っていますが、まさかこんな大きなのはいないでしょうから、着ぐるみかも=下の写真。江戸の人も、結構好きだったんですね。とにかく、見ていると楽しくなる絵です。


 甘野老。植物の名前ですが、何て読むかわかりますか?

 甘は「あま」でいいのですが、野老は「やろう」ではありません。「ところ」と読むのです。「アマドコロ」。東京・竹橋のパレスサイドビル南側にある皇居東御苑・二の丸雑木林の木の下でひっそりと白い花を咲かせていました。

 斜めに伸びて、ちょっと角ばった感じの茎に、小さな釣鐘の様な筒状の花がぶら下がっています。仲間の「トコロ」「オニドコロ」という植物は根茎が太く、ヒゲ根が多いことからこれを老人のヒゲにたとえて野老としたのですが、トコロの根茎は苦いのに対しアマドコロは甘みがあるのでこの名がついたのです。

 可憐な花ですが、茎、根茎は生薬としてもかなり重宝がられているのです。早春か秋にアマドコロの根茎を水洗いしてヒゲ根を取って塩を入れた熱湯でゆでた後乾燥させたものが生薬の「玉竹」または「いずい」と呼ばれ、滋養、強壮、老化防止、美肌、脳卒中、糖尿病に効くとされています。16世紀、中国の明朝時代に薬用とする植物について書かれた「本草綱目」には中風による足の筋肉障害を取り除き、長く服用すると顔色もよくなり、つやが出てくる、と記されています。

 また、ヒゲ根を取り除いた根茎を梅酒のように焼酎などに漬けて熟成させて作った「アマドコロ酒」は淡黄色で特有の香りがあり、飲むと強壮、老化防止、美肌効果などがあるとされており、小林一茶も愛飲したと伝えられています。

 アマドコロの花言葉は「元気を出して」「心の痛みのわかる人」です。

 ゴールデンウイーク(GW)も終わっちゃいました。今日からお仕事、ペースがつかめないような気がするのはわたしだけでしょうか。
 GW前半、高尾山に行きましたが、後半は竹橋にも近い上野動物園に出撃。まあ、典型的な近場で済ませるパターンですが、これが昨今の流行りです(と、家族に強弁´ρ`;)。
P1040222.JPG 5月3日昼ごろに行ったら、さすがに混雑してました=写真㊧。入園してそのままパンダをみるのは90分待ちの表示に、子どもを説得してパンダは回避し、30分以上の行列もソフトクリームをなめていれば苦にならず。
 最近の動物園はどこも、展示を工夫してます。表門からゴリラ方面へ向かP1040238.JPGうメインストリートを行くと、カワウソのゲージからアクリル水槽が飛び出すかたちで作られています。前からありましたが、今回、初めて、泳ぐカワウソを目の前で見ることができました=写真㊨

 クマたちの丘では、おやつタイムなのか、クマを一度中にさがらせて、飼育員さんがニンジンやリンゴなどを、のぞき窓のところに並べて、再びクマを入れます。窓のところに来てパクパク......まさP1040309.JPGしく至近距離でクマを見られる趣向に、子どもたちの喜びようと言ったら、もう大変=写真㊧
 ゴリラの赤ちゃんが生まれたというので楽しみにしていましたが、体調管理のためゴリラの住む森に猿影がなかったのは、唯一、残念でした 。
 最後がジャイアントパンダです。帰り際、パンダ舎にさしかかったら、さっきの混みようが嘘みたいに、ほとんど並んでいませP1040322.JPGん。混雑時は、前列は子どもだけのはずですが、この時は大人も前列通行可。パンダは結構前の方まで来ていて、初めてアッP1040443.JPGプでみた気分。しかもです、リーリー(オス)=一番㊤の写真、フラッシュNGで手ぶれ御免=とシンシン(メス)=写真㊨=ともにお目覚めで、例の愛らしく座り込んだ格好で笹をムシャムシャ食べていたんです。生の動くパンダは初めて。いやはや、パンダはやっぱり可愛い~な~。

 最後にお約束の土産。アルパカのぬいぐるみです=写真㊧。ねだられたというより、クセになりそうなフワフワ感と愛らしいタレ目を、子ども以上に大人が気に入って買っちゃいました。(^_^)

 日本中にあふれる「ご当地ゆるキャラ」で、最も熱いキャラは? 「ゆるキャラグランプリ2011」の覇者くまモン(熊本県)ですって?......「ブー!」。正解は「ふなっしー」(千葉県船橋市)です(独断と偏見)。最近、CMにも出演して、ブレイク中です。

 自身のサイト(http://terawarosu.jimdo.com/)などによると、船橋市の名産・梨の妖精を自称。市などがPRのために生み出した訳ではない「非公認」のキャラで、2011年11月に勝手にツイッター発信を始め、2012年春からPRイベントなどに応募するも相手にされないため、自宅や公園などで撮影した動画をYoutubeにアップしたところ、6月にベビー用品店チェーンから「1日店長」の依頼がきたのが初仕事。市役所、商工会議所に売り込んでも相手にされず、市民祭り、梨PRイベント(東京駅)などに勝手に押しかける"お手伝い出演"で売り込みに努め、同年10月に「ゆるキャラサッカー大会」に出場を果たすと、決勝でくまモンと対戦して惜敗したあたりから知名度が上昇。そして、そして2013年2月、アサヒ飲料の十六茶CMに抜擢! さらに、2月9日のTBS「情報7Daysニュースキャスター」、同11日の日テレ「スッキリ!!」、同17日TBS「アッコにおまかせ」などに立て続けに出演、完全にブレイクしたのです。

 ふなっしーは、藤子・F・不二雄の「オバQ」(古い!!)をパックったような姿とでも言いますか。クレヨンで描いたような目をはじめ、「落書きがそのまま飛び出したような雑でゆるい顔が特徴」(サイトの自己紹介)で、背中のジッパーの隠し方も稚拙など、"手作り感"が妙な魅力になっています。際立つのがアクション。とにかく落ち着きなくボクシングの選手のように常時小刻みに揺れ、150センチの身長で50センチを超えるジャンプを繰り返し、出演したTVスタジオでも縦横無尽に飛び回り、度肝を抜きました。甲高い声で、「なっしー!」という独特のふなっしー2日テレ.jpg語尾でまくしたてるハイテンションぶりと相まって、一度見たら忘れられません。「スッキリ!!」ではテリー伊藤さんらから「(薬物)やってんだろお前」と突っ込まれても、動じることなく動き回り=写真㊧、挙句に司会の加藤浩次さんに相撲で見事に投げ飛ばされるなど、お茶目で破壊的な個性を猛烈にアピールすることに成功しました。

 船橋市は竹橋から東西線で30分も乗れば着いてしまう近さですし、千葉県民だったこともあるんですが、船橋市が梨の産地だとは、不覚にも知りませんでした。なっしーのイメージとともに、一生忘れられそうもありません......って言うか、なんか、夢に出てきそうで、怖っ!(-´_-)

 5日の「端午の節句」(子供の日)を前に1日、東京・竹橋のパレスサイドビル地下1階、1階、9階の商店、飲食店では菖蒲湯用のショウブの葉をお客さんたちにプレゼントする特別イベントがありました。同ビル商店・飲食店の有志で組織する「パレスサイドビル名店会」(会長・中島潜赤坂飯店社長)が、ビルを訪れた人たちに少しでも季節を感じる日本の行事・風習を味わってもらおうと行っている「鯉のぼり祭り」の一環で、毎年この時期に行事にちなんだものを無料で配布しています。昨年はハナショウブでしたが、今年は「端午の節句といえば菖蒲湯」ということでショウブの葉っぱにしたそうです。同会は全部で1300束を用意し、2日も同様に無料配布する予定だそうです。

 菖蒲湯は古代中国で5月5日に邪気をはらう浴蘭節(よくらんせつ)という風習があり、それが日本に伝わったといわれています。日本では古くから端午の節句や武士が出陣前に武運長久を願って浸かる風習があったとも、江戸時代に銭湯でやっていたのが庶民に広まったという説もあります。肩こり、神経痛、リュウマチなどに効果があると言われています。ショウブ自体昔から病邪を払う薬草だといわれていますが、似たようなは葉っぱできれいな花が咲くハナショウブとは違った種類なのです。

 この日は2~3本に束ねてセロハン紙で包んだショウブの葉っぱを同会加盟の各店の店員さんたちが1束ずつ手渡すと、受け取った人たちは大喜び。ビルで食事をしたあと葉っぱをもらったある女性は「毎年スパーで買っていたので、大変助かります」と話していました。

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