2013

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冬は松葉がに

 冬です。カニです。食べましたか? 先日、都内某所で「松葉がに」にありつきました。山陰から北陸一帯のこの季節の名物ですが、いただいたのは鳥取県・鳥取港からの直送品=写真㊤。朝水揚げされた生のカニがその日のうちに東京に届けられ、サッと茹でただけ。何もつけずに頬張ると、ジワーと味が口いっぱいに広がります。臭みはまったくありません。「レモン醤油などをつけるのは、冷凍物の臭いをごまかすため」と、お店の人が話していました。

 「松葉がに」は成長した雄のズワイガニですが、呼び名は地域によっていろいろ。福井では「越前がに」、石川の加賀、能登地方では「加能がに」、京都でも丹後半島の間人(たいざ)漁港で水揚げされるものは「間人がに」など。兵庫の城崎温泉に近い津居山港、柴山港で水揚げされたものは、それぞれ「津居山がに」「柴山がに」のブランド化に躍起とか。「北海道松葉がに」という呼称も耳にするようになりました。タラバガニ、毛がになどが有名な北海道は、ズワイガニの売り込みにさほど熱心でなかったのが、水産業の景気が悪いため、最近は力を入れているのでしょう。

 これらの呼び名は、あくまで雄だけ。雌はセコガニ(福井、京都、兵庫、鳥取)、オヤガニ(鳥取)、コッペ(京都)、コウバコ(石川)などと呼ばれるそうです。雄は大きいもので甲幅(甲羅の幅)が15センチにもなる一方、メスは7~8センチどまりなので区別しているんですね。

 ズワイガニよりやや小ぶりで、よく似たベニズワイガニもあり、これと区別するため「本ズワイガニ」という言い方もします。「ベニ」の方が赤いのですが、茹でると同じような色で区別がつきにくいですね。一般に味は「ベニ」の方が水っぽいと言われますが、モノにより、鮮度により、一概には言えないかもしれません。

 全国の漁獲量は2011年度4717トン・95億円、府県別では①兵庫(1418トン・34億円)②鳥取(1119トン・20億円)③福井(607トン・15億円)のトップ3で約7割を占めます=上図、兵庫県・浜坂町漁協サイトより。

 書いていたら、また食べたくなっちゃいます。日本海方面でカニを食べられるツアーはパレスサイドビル地下1階の毎日旅行でも扱っています。「若狭お水送りと東大寺お水取り小浜・天橋立・伊根舟屋巡り」(2泊3日)なんていうのもあって、2日目昼食は天橋立で「カニ会席」だそうです。

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