このところ朝晩はめっきり冷え込んで来て、本当に秋が深まってきた感じです。都内でも赤や黄に色づいてきた木が目立ち始めました。紅葉する木々の中でも見事なのがニシキギでしょう。他を圧倒する燃えるような赤はとても印象的です。紅葉の見事さが錦織に例えられてその名がついたといわれています。
東京・竹橋のパレスサイドビル近くの北の丸公園には約100本のニシキギが植えられており、一部が紅葉し始めました。1本の木の中で赤く色づいた葉がついた枝と青い葉っぱのままの枝が交じっており不思議な感じもします。これから木全体が赤くなっていくようですが、同園管理事務所によりますと、いつもより紅葉はかなり遅れているとかで、今月下旬か来月初めごろが見ごろになるということです。
ニシキギの紅葉は、夏にはスズランに似た花をつけるアメリカ原産のスズランノキ(鈴蘭の木)、中国原産で葉が橙色から徐々に赤くなっていくニッサボクとともに世界3大紅葉樹にあげられています。(ニッサボクではなく、カエデとかモミジという説もあります)
枝にコルク質の翼があるのが大きな特徴で、林の中でもすぐにわかります。翼は剃刀にも見えることからカミソリノキともいわれます。また、この翼があるために鳥は枝に留まることができないだろうということでトリトマラズという地方もあります。さらに黒焼きにした翼をご飯粒で患部に貼るととげ抜きに効くということで、とげ抜きの妙薬としても知られており、トゲヌキサンという別名もあるようです。