やっとヒガンバナ(彼岸花)が咲き、各地で見ごろになりました。パレスサイドビル前から代官町通りを西に行き、下ったところの左側、立ち止まって歩道から半蔵濠の斜面を見ると燃えるような赤いヒガンバナが一面に咲き誇っています。
曼珠沙華(マンジュシャゲ)ともいわれるヒガンバナの見ごろを「やっと」と書いたのは、今年は残暑が厳しく暑い日が続いたせいで、どこもヒガンバナの開花が遅れていたからです。いつもなら、9月の中旬ごろから咲き始め、文字通り秋分の日をはさんだお彼岸のころが最盛期になっているのですが、今年は咲き始めたのが9月の最終週で、10月に入って見ごろを迎えたようです。
200万本の花が咲き、関東地方で有数のヒガンバナの見どころとされる埼玉県日高市の巾着田(きんちゃくだ)曼珠沙華公園の「曼珠沙華まつり」は9月15日から下旬までの予定でしたが、始まった時にはほとんど咲かず、終盤になって咲き始めて今月に入り満開。今は最盛期であたり一面に赤いじゅうたんを敷き詰めたようになり、見ごろだということです。このためまつりも今月8日(月・祭)まで延長することにしたのです。
ただ、日高市役所⇔高麗神社⇔巾着田を結ぶシャトルバスは先月末で終了してしまいました。反面、ヒガンバナの開花中は大変混雑するとの理由でできなかった河原でのバーベキュー・キャンプは6日に解禁となるようで、花とバーベキュウを一緒に楽しめるという思わぬ恩恵に浴せそうです。
ヒガンバナについてはご存じだと思いますが、全草有毒です。このため土中のモグラや虫除けとしていろんなところに植えられたようです。地獄花(ジゴクバナ)、幽霊花(ユウレイバナ)、剃刀花(カミソリバナ)など不吉な異名もあります。また、花びらがスカスカなことからか、毒があるため子供たちに近寄らせないようする思いからか、ハッカケババア(歯欠け婆)とひどい名前で呼んでいる地方もあるようです。一方で曼珠沙華から「天上の花」としてめでたい兆しとされることもあります。いずれにしても美しいヒガンバナは観賞するだけにしておいた方がよさそうです。