今年も大きな花が見事に咲き誇っています。パレスサイドビルのすぐ南側、皇居東御苑内本丸休憩所東側に植えられた「はるかのひまわり」。約50輪の黄色い花が、猛暑を吹き飛ばすような頑張りで太陽に顔を向けていました。
「はるかのひまわり」は17年前の阪神淡路大震災で犠牲になった加藤はるかちゃん(当時小学校6年生)の「命」の連鎖を紡いでゆこうと育てられ、伝えられてきたものです。
神戸市東灘区の自宅1階で寝ていたはるかちゃんは、阪神淡路大震災の大きな揺れで崩れ落ちた2階部分の下敷きとなり短い命を閉じました。そして半年後の夏、はるかちゃんの家があった空き地に一輪のひまわりが咲き、近所の人たちを驚かせました。動物好きだったはるかちゃんが、隣の家のオウムの餌としてあげるひまわりの種が力強く育ったのです。その後、空地にはたくさんのひまわりが咲き、地域の人たちは、震災からの復興とはるかちゃんをはじめ亡くなった人たちの供養の思いを込めて「はるかのひまわり」と名付け、育てて採取した種を全国に配布しています。昨年は東日本大震災の被災した各地にも種が伝わり、大きな花を咲かせました。
東御苑の「はるかのひまわり」は、平成17年1月、阪神淡路大震災の10周年追悼式典で、遺族代表の小学生から天皇皇后両陛下に贈られた種を、両陛下が御所で育て、採れた種を休憩所東側にも播いて育ったものです。