都心のど真ん中の滝――東京・竹橋のパレスサイドビル近くの北の丸公園内に小さな滝があります。落差3mほどで、特に名前もありませんが、ヤマモミジ、ウツギ、クヌギなどの木々の中で響かせる滝の音は涼感たっぷりです。
1969(昭和44)年の北の丸公園オープンに合わせて造られたもので、造園家で環境デザイナーの伊藤邦衛さんが設計しました。伊藤さんはこの池を中心にした作品で日本造園学会賞を計画設計作品部門で受賞しているそうです。
滝から落ちた水は渓流風の川を通って、上の池、中の池、下の池と三つの池に流れていきます。公園事務所によりますと、滝の水は下の池からポンプで汲み上げて流しているそうです。
電力制限令が発令された昨年の夏は、池の水が淀まないようにと、夜中の1時間だけポンプを回しただけで、昼間はポンプを停めたため、滝は流れていませんでした。制限令が出ていない今年夏は? 「環境省が管理している公園ですので......。」と話し、ポンプを停めるかどうか、検討中だそうです。