東京・竹橋のパレスサイドビル近くにある千代田区立神田一橋中学校。今年度の新入生の数は2年生の4倍と、大幅に増えました。
といっても同校の通信教育課程の話で、昨年度は2人だったのが今年度は8人が入学、現在合計13人の"生徒"が学んでいます。
同校はもともと千代田区立一橋中学校でしたが、都心の人口過疎化のあおりを受け、平成17年に同区内の2つの中学校と統合されて現在に至っています。
中学校の通信教育課程は現在、全国で同校と大阪市・天王寺中学校の2校しかありません。戦中・戦後の混乱期に様々な事情で、尋常小学校、高等小学校、国民学校などを卒業したけれど、中学校に進めなかったり、中学校を中退して現在の義務教育を卒業していない人たちのために昭和23年に設置されました。
今年度入学した8人のうち3人が80歳代で最高齢者は81歳。最も若い人で60歳だといいます。これまで義務教育だけは修了したいと、ずっと心の中に引っかかっていたものの勉強どころではなかったが、やっと学習する時間ができたという人がほとんど。自宅で勉強してレポートを提出するほか、日曜日に月2回、同校での面接授業(スクーリング)に取り組んでいるそうです。同校の関谷昇・通信課程教育主任は「該当者は歳をとってきて、年々減少傾向にありますが、今年はその中でも勉強したいという人が増えたのでしょう。皆さん学習意欲は旺盛で、熱心に勉学にいそしんでおられます」と話していました。