先週も紹介した皇居東御苑の本丸跡にあるバラ園で、ハマナスの赤い花がきれいに咲いていました。漢字で浜茄子とも浜梨とも書くハマナスがバラなの? と思われるかもしれませんが、バラ科バラ属で、英語名は「Japanese Rose」とれっきとしたバラなのです。茄子でも梨とも関係はありません。ただ、ハマナスの実が梨に似ていることからハマナシ(浜梨)と呼ばれていたものが、なまって「ハマナス」となったそうです。
ハマナスといえば、森繁久弥作詞・作曲の「知床旅情」や、映画「網走番外地」主題歌で歌われているように北海道のイメージですね。実際、北海道の花はハマナスです。でも、原産は東南アジアなのです。また、オランダではハマナスの街路樹が多く見られます。シーボルトがオランダにハマナスを持ち帰って広まったといわれています。
ハマナスは秋になると赤い実をつけますが、その実はビタミンCが豊富なだけでなく、抗酸化作用があり、過剰な活性酸素を除去するといわれるポリフェノールも多く含まれ、血中の中性脂肪を低下させる効果もあるといわれています。動脈硬化や脳梗塞の予防にも良いそうで、健康が気になる方は自宅で育てて、実を食べてはいかがですか? ただし「綺麗なバラには棘がある」の通りトゲがすごいのです。英語の別名で「Hedgehog Rose」とも言います。Hedgehogはハリネズミの意味です。実を取る際には十分気を付けてください。