【2012年5月 8日】のアーカイブ

   パレスサイドビル近くの気象庁出身作家に、新田次郎さんがいます。「強力伝」「孤高の人」「八甲田山死の彷徨」「劒岳 点の記」など多くの山岳小説を書いていて、映画化されたものもたくさんあります。電機学校(パレスサイドビル近くだった電機大学の前身、今年4月に北千住に移転)を卒業したあと、中央気象台に入り、その後、満州国観象台に転職して終戦を迎え、1年間の抑留生活を送っています。

 出版界では一時期、「太郎、次郎、三郎に書いてもらえばベストセラー間違いなし」と言われた時代がありました。「太郎」は司馬遼太郎さん、「次郎」は新田次郎さん、「三郎」は城山三郎さんです。

 新田さんは長野県諏訪の出身で、菩提は諏訪市の正願寺にあります。小豆色の安山岩に「春風や次郎の夢のまだつづく」と刻まれています。

しかし、お墓がもう一つ、スイスにあるのです。

 藤原てい夫人のたっての希望で実現しました。藤原ていさんといえば、終戦直後の引き揚げ体験を書いた「流れる星は生きている」が有名です。満州国の「首都」新京から3人の子供を連れて、無蓋列車で朝鮮半島を南下してくる壮絶なノンフィクションです。3人の子供の一人が、「国家の品格」などの著者、藤原正彦さんです。

 その藤原ていさんがスイス・アルプスにもお墓を作りたいということで、ユングフラウへの登山電車の出発駅であるクライネシャイデック駅近くの丘にお墓を作りました。銅板の碑銘に「アルプスを愛した日本の作家新田次郎ここに眠る」とあります。山岳小説の大家らしい碑銘に、訪れる日本人観光客がそっと野の花を供えていました。

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