皇居東御苑の本丸から汐見坂へ抜ける途中の木々の下に、白い小さな花がいくつも咲いています。シャガという花です。花はせいぜい40センチくらいのところに咲いており、しゃがんで見るからシャガというわけでありませんが、よく見ると、白い中に青と黄色の斑が入ったかわいい花です。漢字では射干あるいは著莪とも書き、胡蝶花ともいうそうです。
原産は中国ですが、なぜか学名はアイリス・ジャポニカと、「日本の」という名がついています。種はできず、球根も作らず、根がはって増えるそうで、その昔、中国からは鉢植えか何かで土ごと運ばれ、それが増えたという説があります。日陰で育ち、繁殖は旺盛です。
13日に紹介したヤマブキの学名はケリア・ジャポニカとこれも「ジャポニカ」がついています。東御苑の木々を植えた人が意識していたどうかはわかりませんが、日本の真ん中にある皇居に「ジャポニカ」という学名がついた植物が育っているのは当然なのかもしれませんね。
シャガはパレスサイドビルのすぐ北側、住友商事竹橋ビルの植え込みでも咲いています。