東京都心のビジネス街にちょっと似合わない不思議な空間、「将門塚」をご存知の方も多いでしょう。名前のとおり、平安時代の武将、平将門公をおまつりしています。千代田区大手町1丁目2番、三井物産本社ビルに隣接し、まさにビルの谷間ですが、290平方メートルほどのスペースにちょっと木も茂り、うっそうとした林の一角のような雰囲気で、この季節、ちょっとサッブーッ!ですが、夏は涼しくていいかも、っていう雰囲気です。
それもそのはず、言い伝えは怖いです。将門公は10世紀、今の茨城県南部から千葉県北部を本拠に挙兵し、最終的に朝敵として討たれた武将ですが、平安京の都大路にさらされた首が天空に舞い上がって関東に向かい、途中で落ちたという伝説に由来するのが将門塚です。似たような伝承は何か所かありますが、一番有名なのがここ。鎌倉時代、飢饉などに苦しむ人々が「将門の祟り」と恐れたため、高名なお坊さんが慰霊碑を建立したと伝えられます。碑に刻まれた「蓮阿弥陀仏」は、将門公の戒名とか。ここは神田明神創建の地でもあり、徳川幕府の江戸城拡張に伴い神田明神が移転した後も、塚は残されました。現在は、地元町会有志や周辺の大手企業を中心に組織する「将門塚保存会」が浄財を集め、維持・管理にあたっているそうです。
ちょっと調べてみると、伝説などいろいろと話題が尽きず、とても書ききれません。竹橋のパレスサイドビルから徒歩約5分。ちょくちょく足を運んで、身近なところにある「歴史」を勉強してみようかと思います。