【2012年2月17日】のアーカイブ

 佐久間良子さんの「私の履歴書」(日本経済新聞連載中)が話題を呼んでいます。

 昭和の名優、鶴田浩二さんとの不倫の恋から、いよいよ平幹二朗さんと知り合い、恋に落ちる場面になってきました(217日付け、第16回)。

 「...時間を見つけてはつかの間のデートを楽しんでいた。恋人であれば時間は必ず作れるものだ。平さんには5時間待たされた経験もある。場所は東京・一ツ橋のレストラン『アラスカ』」と書かれています。

 あの絶世の美女を5時間も待たせるとは、とも思いますが、パレスサイドビル9階でただひたすら恋人を待つ佐久間さんを想像すると、それだけで映画の1シーンになるような気もします。

 「頻繁に会えるわけではないので私はひたすら待った。待つことさえ楽しく思えた。愛の力が私を忍耐強くさせていた」と佐久間さんはけなげな女心を表現しています。

 バレンタインデーが過ぎ、次はお返しのホワイトデー。女性を待たせないデートをしましょう。

パレスサイドビルがある竹橋から地下鉄東西線で東へ3駅、茅場町駅を降り立つと、兜(かぶと)町です。正式な地名は中央区日本橋兜町、言わずと知れた日本のウォール街で、中心が東京証券取引所です。その向かい、日本橋川の畔に、小さな神社があるのをご存知ですか。「兜神社」。狭くて神主さんも常駐していませんが、気になるのは、境内にある「兜岩」(元々は兜塚とも)。神社名と地名の元です。
由来は、八幡太郎として知られる源義家公(頼朝の高祖父=祖父の祖父)が前九年の役(1050年代)の折に岩に兜を置き戦勝を祈願したという説が有力ですが、将門伝説もあるんです。940年に藤原秀郷が将門公を討って首を持ち帰る道中、この地で兜を落としたため、兜を埋め、塚を築いて供養した――。首は都にさらされたが、天に舞い上がって大手町の将門塚に落ちたという伝説につながるわけです。
江戸時代、近くに将門公をまつる鎧(よろい)神社(現在新宿区にある同名の神社とは別物のようです)があり、明治になって神社と兜塚が合併して兜神社が生まれたとか。この一帯を払い下げられた三井財閥の関係で将門公や義家公とは縁が切れ、商業の守護神・倉稲魂命(ウカノミタマノミコト=お稲荷さん)が主神になり、明治11(1878)年に東証が開設されてからは "株の守り神"となりました。
「兜神社」の名は他にもあって、例えば秋田県能代市の神社は奥州藤原氏絡みの伝承があるとか。あなたの周りの神社にも面白言い伝えがありませんか?

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